でっきぶらし(News Paper)

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140号(2001年03月)6ページ

研修を終えて 宮城県農業短期大学 畜産科   高橋 志織

 私はずっと、動物園で研修がしたかったのですが、日本平動物園に研修が決まったとき、今まで野生動物にあまり接したことがなかったので、どのように接したらよいかとても不安でした。始めの一週間は病院での研修でした。始めのうちは、いわれるがままに掃除や食事つくりをしていました。
 病院には私が想像していたよりもはるかに多くの動物がおり、動物園内の動物だけでなく、ほごされた動物もいたので、とても驚きました。初めて私を見た動物たちはすごく警戒し、暴れる動物もいました。私はどうしたらいいのかわらなくてとまどっていると、掃除などをするときは、動物に逃げ場をとくってあげながらするということを教わりました。
 このように、動物たちのことを考えたら当たり前のようなことも私は判りませんでした。それからは、動物たちのことをよく見て、考えながら行動するようにしました。何日かたつと、仕事の流れが判ってきたし、動物たちが私のことをだんだん覚えてくれたようで、始めは手渡しでは食べてくれなかったマーモセットが食べてくれたり、フクロウにさし餌をするとくきに暴れなくなったりしました。私が作った食事をたくさん食べてくれたり、おいしそうに食べているのを見ると、とてもうれしくなりました。病院はたくさんの種類の動物が居て、細かい仕事が多かったけれど、すごく近くで動物に接することが出来て、とても勉強になりました。

 次の5日間は、夜行性と熱帯鳥類館での研修でした。夜行性館には、不思議な動物ばかりいて、みんな個性的でおもしろかったです。ガラスごしにお客さんが見えるので、そのことも考えてガラスもきれいにしたり、どのように見えるかお客さんの方から見たりと、動物の飼育だけではないということを知りました。熱帯鳥類館では、鳥の種類によって食事の切り方が全然異なりました。鳥も、私を見ると、なかなか食べてくれなかったりしたので、よく見ているんだと感心しました。ここでもお客さんのことを考えて枯れた木を植え換えたりきれいに見えるようにしました。夜行性館と熱帯鳥類館では。飼育だけでなく、他のことも学ぶことができました。
 最後の3日間は、マサイキリンとアジアゾウでの研修でした。キリンは近くで見るととても大きくて、おもしろい顔をしていました。神経質なので、私のことをずっと見て警戒していました。ゾウは、すごく頭が良くて驚きました。人間の言葉を30以上覚えているそうで、説教しているのをあんなに近くで見ることが出来て感動しました。ゾウの時の飼育員さんたちの顔は、いつにもましてまじめで、それだけゾウは真剣にやらなければいけないということを知りました。

 二週間という短い機か案で学んだことはたくさんあり、毎日が刺激的で、勉強になりました。飼育といっても、ただ部屋の掃除をして、食事をあげるだけでなく、動物たちと同じ視線で話しをして、コミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが大切だということがわかりました。今回、日本平動物園で研修したことで、もっと動物のことを知りたくなり、そして将来、動物に接する仕事をしたいという気持ちが強くなりました。
 二週間、飼育課の皆さんにとてもよくしてただいて、楽しく研修することができました。本当にありがとうございました。

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