でっきぶらし(News Paper)

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140号(2001年03月)5ページ

〜病院だより〜 【 シャンティーの歯の抜け代わり そしてくすりと細菌

 かくして、再び細菌(ブドウ球菌)と獣医との戦いが始まった。薬も治療器材も歯科用、アジアゾウの体重は約3.2トン、洗浄水も薬剤量も中途半端ではない。病院の台所は火車、洗浄水も手り、使い捨て器材も滅菌後再利用と悩みは次々我々を襲う。
 そんな矢先、恒例となってしまった朝の治療中、シャンティーが震えてる、寒さで震えている?。一瞬嫌な想いが脳裏をよぎった。風邪、かぜ。早速体温測定、聴診。まずは保温をしてやらなければ、しかしゾウ舎は広く天井は高い、おまけに床は冷たいコンクリート張り。ストーブ数台入れても追いつかない。
 ?*???体重3・2トン薬を処方するとしたらとんでもない量になる。しかし採食良好、排便、排尿も良好。まずは床に保温材を敷きしばらく経過を見ることにしよう。
 一月中頃、再び薬剤試験したところ昨年暮れまで効いていた薬が今は全く無効、もう薬品庫には新しい抗生剤はない。かくなる上は最後の砦バンコマイシンか、いやこれだけは使いたくない。そこで登場したのが漢方薬。ヘビイチゴ焼酎 これに賭けてみよう。ほのかにいい匂い。暗雲晴れての心境。月日を重ねゴールデンウイークを迎えた頃、その効果が出始めました。

〔海野隆至〕

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