でっきぶらし(News Paper)

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217号(2014年04月)2ページ

祝 グランドオープン!その5(オランウータン館・草食獣舎)

『オランウータン館』
昨年(平成25年)4月にオープンしたオランウータン館は、「優れた身体能力と知能をみせる」をコンセプトに造られた施設です。
展示動物のオランウータンは、アフリカに生息するゴリラ、チンパンジーと共に大型の類人猿で、東南アジアのスマトラ島とボルネオ島の熱帯雨林に生息します。オランウータンとはマレー語で「森の人」を意味し、一生のほとんどを高さ20~30mの樹上で単独生活し、樹上生活をする霊長類の中では最大の種になります。野性下では樹木にぶら下がり、隣の木に手が届くまで木を揺すって移動していくため、その生態をいかし展示場では擬木やロープ等を用いて空中移動させ、その迫力やしなやかさを観察してもらえるようにしました。
また、オランウータンをいろいろな角度から観察できるように展示場の高い位置までスロープを設置し強化ガラス越しに、より近い距離で観察できるようにもしました。雨天時にも、ゆっくりとご覧いただけるような観覧通路もあります。
当園では、オスのジュンとメスのキャンディの2頭のオランウータンを飼育展示していますが、繁殖のため昨年10月から午後2時頃に1時間ほど外の展示場で同居をしています。2頭一緒にいる姿を観られるのは繁殖の時期だけなので、ぜひ同居の様子もご覧ください。

『草食獣舎』
草食獣舎にはバーバリシープ、アクシスジカ、ワラビーの3種類の草食獣が展示されています。
バーバリシープ舎は、高低差のある敷地特性を活かし、動物を上から見たり下から見たりすることができます。さらに、壁面に開いたスリットから動物に近づいて観ることもでき、様々な場所から観察することで、動物を身近に感じられるよう工夫を施してあります。
バーバリシープは、乾燥した山岳地帯の険しい岩場に生息し高い場所に登るため、擬岩や擬木を用いてその生息環境を復元しています。バーバリシープが切り立った岩場をすばらしい跳躍力で駆け上がる姿をぜひご覧ください。また、観客通路天井へ開口部を造ってあるので、バーバリシープの足元から見上げてもらうこともできます。バーバリシープは、警戒心は強いですが、脅かさなければ人に近づいて来るので、今後は餌やり等のイベントも行っていきたいです。餌を食べる様子だけでなく、その息遣いやにおいを間近で感じることができるでしょう。また、暑い日には、すぐ近くで水浴びをする様子もご覧になれます。
アクシスジカは、インドの林や草原地帯に生息し平らな土地が向いているため、展示場も平坦な造りになっています。非常に臆病なアクシスジカは、最初のうちは寝室へ入り込んでしまい、なかなか姿を見せませんでしたが、今では、少し警戒心も緩み、展示場でご覧になることができます。オスは1年に1度角が生え変わりますが、今は、角が生え変わったばかりなので、少しずつ成長していく角の様子も見ることができます。成獣でも鹿の子模様が残り、世界一ともいわれる美しいシカを間近で観察してください。また、バーバリーシープ(ウシ科)とアクシスジカ(シカ科)の比較展示により、草食獣の違いも観察してもらうことができます。
ワラビー舎で飼育展示されているベネットアカクビワラビーは、園内唯一の有袋類です。オーストラリアの森林地帯や岩の多い地域、半乾燥地の広大な草地などに生息しています。フェンスの近くにも来てくれるので、そのかわいらしい姿と共に、展示場に設置された木などの障害物をジャンプしながら移動する運動能力もご覧ください。近い将来、母親の袋から顔を覗かせる赤ちゃんの姿も期待したいですね。

飼育係 柿島 安博

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