でっきぶらし(News Paper)

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60号(1987年11月)6ページ

動物の食べ物 第9回 夜行性動物館その2

 2番手はフェネック。この種名よりも異名であるサバクヒメギツネの方が分かりいいようです。アラビア半島やシナイ半島にすみ、イヌ科の中で最も小型といわれています。
 野生ではおよそたん白質と関係するもの、鳥であれ卵であれトカゲであれ昆虫であれ、何でも食べているようです。で、完全な動物食かと思うとそうでもなく、当園で飼われていたのはブドウをよく食べ、今回上野動物園より頂いたのはバナナを好み、その飼料表を見た担当者は改めて感心したそうです。
 歯が比較的しっかりしているのに、ねりえが主食になるのは、先に述べた他の動物と関連してでしょう。しかし、歯ごたえのある物も与えられています。「キャー、かわいそう」といわれそうですが、ヒヨコがそうです。フェネックに限らず、夜行性動物館においては大事なたん白源で、欠かせない「食べ物」のひとつなのです。生き物と生き物は、喰う喰われるの関係で結びつきます。飼育下においても、決して無視できることではありません。又、できれば語らずに済ませたいものでもありますが、「動物園ではトラやライオンに犬の肉を与えている。」との誤解や偏見はまだ残っているようですので、あえて率直に述べさせて頂きました。

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