でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 220号の1ページへ220号の3ページへ »

220号(2014年10月)2ページ

ゾウとの思いで(Part1)

 開園昭和44年より動物園で園内を知っている動物は、今ではゾウのダンボと翌年に来たシャンティと数羽のフラミンゴで、ほかの動物たちはすべて世代交代をしています。
当時の園内では8月開園をめざし工事真最中の2か月前の6月にトラックの荷台に箱に入った小ゾウがゾウ舎前キリン放飼場に止められました。ゾウが降りやすいように盛り土をしたところに車がつけられて箱が開けられると、小さな鼻を出して周囲を探るしぐさはかわいらしい姿でした。その後、箱から悪戦苦闘し出しましたが、ゾウは足を踏ん張って動く様子もなく、飼育員6~7人でゾウの周りについて押しますが、なかなか進まず苦労をしました。その時の体重450kg、肩までの高さ140cm。この大きさでしたので部屋に入るための近道であるキーパー通路の狭いところからでも部屋に入れることができました。部屋に入れてからはゾウも落ち着きなく部屋の中を走り回るので餌をやり、落ち着かそうとするも私たちのところに体当たりをしてなかなか落ち着きませんでした。数日はこの状態が続き、私たちが近づくとアタックして壁に何回か押し付けられました。まだ体が小さいといえかなりの衝撃を受けました。
 来園1週間過ぎたころから環境の変化と精神的なものと、また餌もかなり多く与えたためもあってか調子がおかしくなり、出るものも出なくなりお腹がパンパンになってしまい、食欲もなく元気がなくなってきました。獣医さんに連絡して診てもらうと浣腸しないとだめだとのことなので、ゾウが動か無いように四つの足を鎖でつなぎました。私が尾を横に引っ張り、獣医が浣腸の前段階の肛門に手を入れ糞をかき出して浣腸の開始である。20ℓのバケツにぬるま湯を入れ、これにゴムホースを入れ片方を肛門に差し込み、バケツを高くしてサイフォンの原理でお湯を流し込み、バケツ5杯100ℓを入れて肛門を両手で押さえていると、ダンボはいきみが強く押えることができなくなり、手を放すと「ドドーッ」と糞と水があたり一面に飛び散りました。その後はすっきりしたのか元気になりました。

 
(Part2へ続く)

« 220号の1ページへ220号の3ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ