でっきぶらし(News Paper)

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164号(2005年03月)9ページ

博物館実習を終えて

静岡大学教育学部 岩見真紀

日本平動物園で博物館実習を行わせていただいた10日間、今までに経験したことのない、様々な活動を体験することができました。主に取り組んだ資料館の展示替え作業では、出来上がった作品等をボードに展示する作業がほとんどではありましたが、お客様が見やすいように配置を調整したり、作品展の雰囲気に合った立て看板を作成したりと、自分なりに見やすさ・わかりやすさを追求しながら取り組むことができました。

キリンのトッポ(♂)とリン(♀)のネームプレート作成では、2頭の違いが表れるような配色・配置を考慮しました。パソコンに向かっただけでは、どう表現したらよいか全くわかりませんでしたが、ネームプレートに載せる写真を撮影する際、トッポとリンをじっくり観察していると、今まで全部同じに見えていた2頭がそれぞれ違う個性を持った個体だということに気づきました。

この時から動物たちに愛着がわき、ネームプレート作成作業も順調に進みました。自分が作成したネームプレートを無事キリン舎に貼ってもらうことができた時は、誇りと嬉しさでいっぱいになりました。

その他にも、年に1度の猛獣脱出捕獲訓練に立ち会えたことは貴重な経験となりました。また、ツアーガイドの研修やふれあいのボランティア活動にも参加させていただきましたが、これらの活動を通じ、動物園に関わっている人たちは本当に動物が好きで、愛情・愛着を持って活動しているということを知り、私も心が優しくなれたように思います。

普段動物に接する機会の少ない私も、昼休みに園内を散歩してはクモザルをからかいに行くのが楽しくてしかたありませんでした。バロンやトッポ、リン、ピンキー・・・1頭1頭の前に立ち止まってじっくり観察すると、今まで見えなかったものが見えてきました。動物園とは、動物たちの姿を見て、日常忘れていた大切な何かを思い出すことができる素敵な場所であると思います。たった10日間ではありましたが、日本平動物園で実習をすることができて、本当に嬉しく思います。

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