でっきぶらし(News Paper)

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214号(2013年10月)8ページ

スポットガイドだよりNo2

《8月18日 ウサギ》

 8月18日・13:30より、当動物園の中にある更に小さな動物園~ふれあい動物園で、ウサギのzooスポットガイドを行いました。
場所は、普段、来園者の方々に休憩場として使っていただいている屋根付き壁無しの施設。暑い日でしたが、非常に良い風が吹き抜ける、ガイドを行うにはとても涼しく良好な環境でした。
 さて、ウサギ。皆さんは彼らに対してどんなイメージをもっているでしょう?可愛い?大人しい?ピョンピョン跳ねる?お月さん?ニンジンをごりごり?……こんなところでしょうか?
では一般的にイメージされているウサギの耳が長いのは何故でしょう?…弱い動物だから危険を早く察知しなければならないので色々な音を拾い易くする為?…はい、それは正解です。しかし、もうひとつ(実はもうひとつではなく、他にも幾つかあるのですが複雑になるので省きます)ウサギの長い耳には大事な役割があります。それは体温調整の為…より正確に言えば、あの長い耳に縦横に走っている血管内の血液を空冷式の原理で冷却する為です。彼らには汗腺が殆ど無い為、どうしてもこうする必要があり、しかも非常に高度な運動能力を持っているので、早く走ったり長く走ったりする度に、運動によって上昇した体温を長い耳の血管(血液)を冷却する事で効率良く低下させているのです。
 ちなみに、ウサギの事をネズミの仲間だと思っている方が結構いらっしゃいますが(事実、有識者の間でも、つい最近までそう思われていました)現在ではそれは否定されており、かってネズミを代表とする齧歯目に入れられていた彼らは、新たにウサギ目と言う別のグループに入れられました。加えて詳しく御説明すれば、彼らウサギは【ウサギ科】と【ナキウサギ科】に区別され、更にアナウサギとノウサギに区分されます。ノウサギの大雑把な特徴は耳が大きく身体も大きく、通常は単独で過ごし地上のみを生活圏とする…反対にアナウサギは耳がノウサギに比べて短く、身体も小型、その名の通り地下に複雑な穴(トンネル)を掘り、しかも複数の個体が同居している…こんな生き物です。
 更に更に、このノウサギとアナウサギは、大きくウサギ目として共に扱われていますが、じっさいの処、この両者は他の動物に例えるなら、様々な意味でイヌとネコくらいの違いがあるのです。
 この、一般の方々がおそらく頭がゴチャゴチャになって訳が判らなくなると思われる話を、今回のガイドの担当者である若い女性飼育員は、まるで語り部(かたりべ)か、あるいは読み聞かせを行う様に判り易く優しく解説していました。
 とても良いスポットガイドでした。立派です!

ZOOスポットガイド班長 長谷川 裕

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