でっきぶらし(News Paper)

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213号(2013年08月)5ページ

スポットガイドだよりNo1

《5月19日 ゴマフアザラシ》

 5月19日(日)・13:30より、ゴマフアザラシのzooスポットガイドを開催しました。
 実は、今回は本当ならオオアリクイのスポットガイドを行う予定でしたが、オオアリクイの体調管理の為、ゴマフアザラシのスポットガイドに変更となりました。こう書くと、動物園の獣舎の配置にお詳しい方々から『何故、猛獣館299の外の施設に居るオオアリクイのガイドから、猛獣館299の中に居るゴマフアザラシにガイドが変更になるんだ?』と疑問が出るかも知れませんが…理由は簡単です。オオアリクイとゴマフアザラシは同じ人が担当しているからです。要するに、今回、オオアリクイのスポットガイドを行う事がちょっと困難になったので、担当者がスポットガイド班と協議の上、自分が担当しているもう一つの動物ゴマフアザラシにガイドを変更した…と言う次第です。
 一般の、多くの方々はおそらく御存知ない事だと思いますが、この様に私達動物園の飼育スタッフは、一人で何種類かの動物を同時に担当しています。これは私達にはごく普通の事で、おそらく何処の動物園、またはそれに関連する施設でも大体同じ環境になっていると思います。
 さて、今回のゴマフアザラシのスポットガイドは、担当者が普段から力を入れている仕事(作業)を中心とした内容で進行しました。その仕事(作業)とは、私達の言葉で馴致・調教と呼ばれるものです。今回のガイドでも皆さんにご覧いただきましたが、日々、担当者が行っているこの馴致・調教とは、外見的にはアザラシ達に幾つかのサインを示したり声を掛けたりして色々な動作をさせたり身体に触れたりするものです。こう表現すると『何だ、芸じゃないか?』と感じられる方々もいらっしゃるでしょうが、実の所、これはいわゆる、他の施設で行われている動物ショーとは似て非なるものです。
 動物園、特に当園の様な公共施設では『芸』を動物達に行わせる発想自体が存在しません。では何故こうした行動を人間が指示して動物達に執らせるかと言えば…それは飼育管理の為なのです。担当者が動物の周囲を周って彼らの身体の異常の有無を確認するより、彼らが指示によって身体を回転させたりしてくれた方が、人間と動物双方にとってリスクやストレスが少ないし、最低限度で構わないのですが彼らの身体に直接人間が触れる事で、より細かい観察が可能になるからです。
 今回は、こうした日常的に行われている担当者の努力を皆さんにお話ししながら、内容の濃い、面白いスポットガイドになりました。
担当者、お疲れさまでした。

ZOOスポットガイド班長 長谷川 裕

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