でっきぶらし(News Paper)

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170号(2006年06月)6ページ

職場体験研修を終えて

静岡市立清水第八中学校 油井 幸美 先生

 桜の便りが聞かれる頃となりました。小・中学生の春休みも始まり、ますますお忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
 中学生を前に、私は今でもよく、動物園で学ばせていただいた3日間のことを思い出しています。冬の寒い朝、子供達と一緒に雑巾を絞りながら、「動物園のプールのお掃除は比べものにならないくらい冷たいんだろうなあ」とか、お店の野菜を手にして、「田地川さんならこれで何gか、ぴったりあてられるんだろうなあ」とか。そういったことから始まって、飼育員の皆さんの常に動物達に声をかけ、うまくできたらきちんと褒めてあげる姿や、動物達が動くまでじっと待ってあげる姿も。それから、言葉のやりとりはなくても、確かな信頼と愛情が存在するその空気に感動したことなど次々に・・・。
 言葉に頼り、できて当たり前、わかってもらえて当然だと思ってしまっていた自分や、「待つ」ことができなくなってしまった自分を反省したあの研修から数ヶ月。今でも相変わらず、子供たちを急がせたり、叱ったりの連続です。でも、そんな私をふと立ち止まらせてくれるのが、あの3日間の研修の思い出です。慌ただしい毎日の中、日本平動物園の景色と、あのときのみなさんの表情が、私の頭を冷やし、同時にあたたかい心にさせてくれる、かけがえのない宝物となっています。
 春の日射しを浴びて、動物達も心地よさそうにしていますか。田地川さんをはじめ、これからも皆さん頑張ってくださいね。

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