でっきぶらし(News Paper)

« 274号の6ページへ274号の8ページへ »

スポットガイド 7月16日 ホッキョクグマ

7月16日にスポットガイド「ホッキョクグマ」を実施しました。ガイドでは意外に知られていない動物園のホッキョクグマの食事について説明しました。そこで今回の「でっきぶらし」ではガイドの内容から少しお話していきます。

 皆さんは日本平動物園のホッキョクグマの食事は1日何回だと思いますか?「ホッキョクグマほどの大きな体だったら1日3回、はたまた5回くらい食べるんじゃないか」、なんて来園者の方から言われることも多いのですが、実はそんなことはなく1日1回。肉、魚、野菜などをバランスよく食べています。肉(魚)だけでなく野菜も与えている理由ですが、ホッキョクグマは肉食の強い雑食性の動物で、野生では木の実など肉以外のものを食べることがあるためです。また野生での主食はアザラシです。アザラシのお肉は脂肪がたっぷり含まれています。それは彼らが住んでいるところが北極圏で、ものすごく寒い場所だというのが理由です。アザラシは脂肪をたくさん体に蓄えて寒さから身を守ります。そのアザラシを主食にしているホッキョクグマにとって、脂肪を摂取することはとても大事なことなのです。動物園ではなるべく野生に近い食事を目指しています。そのためホッキョクグマには脂肪の多く入った馬肉を与えています。皆さんの身近な肉でいうと豚のバラ肉に近い(もっと脂身がついています)ものです。この肉を当園のオスのロッシーで1回に10kgほど、メスのバニラでは5kg与えています。また魚を与える日は大きなブリをまるまる1尾、そこに脂肪分の魚油を与えています。

 実は普通の肉食動物とは違い超ハイカロリーな食事をしているホッキョクグマ。今回の話で皆さんもホッキョクグマ博士に一歩近づいたかも。ZOOスポットガイドでは飼育員しか知らない情報や動物の魅力などを聞ける良い機会になりますので次回もぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

片野 孝太郎

« 274号の6ページへ274号の8ページへ »