でっきぶらし(News Paper)

« 240号の7ページへ

スポットガイドだより ★12月3日 シロサイ

 12月3日にシロサイのスポットガイドを行いました。当日は寒く、お客様もまばらで、開始の時刻になってもあまりスポットガイドを目当てに来てくださる方は見られませんでした。それでも、私が行くとシロサイ達が寄って来てくれるので、通りかかるお客様は足を止めてくださりました。最終的には、20~30人程度の方に聞いていただきました。
 シロサイは、11:45~ランチタイム、15:30~ディナータイムのイベントが毎日あり、短い時間ですがシロサイについてガイドをさせてもらっています。そのため、毎日のイベントとは違う特別感のあるガイドをしたいと思いました。
 そこで、いつものガイドでは時間がないため行っていない、サイの角に触ってもらうことや、日本平動物園にいるサイコとタロウの2頭についての詳しい説明をしました。もちろん、角はサイコとタロウの2頭に直接、触ってもらうのではなく、折れてしまった角に触ってもらいます。近くで見てもらうと、サイの角が毛羽立っていて、髪の毛のようなものがたくさん集まって出来ている事が良くわかります。また、持って貰う事で、サイの頭についている角の重さも体感してもらいました。この角が高額で取引されているがために、アフリカでは多くのサイ達が殺されてしまい、絶滅の危機に直面しています。もちろん、今回触ってもらった角も本物ですので、国際取引が禁止にされていて、私もなくしたり、持ち出したりすると捕まってしまいます(笑)。
 サイコとタロウについては、甘えん坊で飼育員のことが大好きな2頭ですが、寿命が50年と言われているシロサイとしては、すでに37歳と36歳の初老で、担当の私よりも年上です。餌がほしくて、喧嘩をしてしまうこともありますが、普段はくっついて寝ていることもあるくらい仲良しです。そんな2頭には子どもがいません。実は、シロサイは野生では群れで暮らす動物なので、一夫一妻では子どもができにくいそうです。そのため、日本ではサファリなどでは、若干繁殖していることもありますが、日本平動物園では繁殖は叶わず30年たってしまいました。
 また、サイコとタロウの裏話で、サイコという名前を言うと、とても安直な名前なので笑う方がいます。しかし、本当は産まれた動物園でローレイというおしゃれな名前を付けてもらったようですが、当園に来た時に名前募集をして「サイコ」と「サイタロウ」になったそうです。サイタロウは残念ながら、亡くなってしまいましたが、2代目のオスがタロウという名前で来たので結果的に継承されてよかったなと思っています。
 私は今年度シロサイの担当になったので1年目ですが、すぐに甘えてくれる2頭がとても可愛く、お客様にも愛想のいい2頭はその他のイベントなどでも人気です。高齢な2頭ですが、これからも大切に飼育し長生きしてもらいたいと思います。
(井上 志保)

« 240号の7ページへ