でっきぶらし(News Paper)

231号の2ページへ »

シロフクロウ

 日本平動物園ではベビーラッシュ、ということは前号でお伝えしましたが、今年も5月から6月にかけて、シロフクロウに赤ちゃんが生まれています。今回は4羽。白色のお父さんやごま塩模様のお母さんと違い、灰色のモコモコとした体が印象的です。モコモコの赤ちゃんなんてさぞかし可愛いんだろうな、と思うでしょうが、実は眼光鋭い衝撃的なお顔をしています。後ろ姿はよちよち歩くモコモコの毛玉、前を向くと妖怪?と思いたくなるようなお顔がシロフクロウの赤ちゃんです。そんなシロフクロウ、意外とファンの方も多く、猛獣館の端っこでひっそり展示されているにも関わらず、わざわざ会いに来てくれる方もいます。また、あの有名な映画「ハリーポッター」に登場しているので、シロフクロウを見つけると、ハリーポッターだ!と仰る方もいます。人気の理由はここからも来ているようですね。
 さて、そんなシロフクロウ、野生下では北極圏などの寒い場所に生息しています。そのため、暑いところは苦手。日本の夏も苦手です。シロフクロウが展示されている部屋は、クーラーがつけられるようになっており、日陰になるようにもしてありますが、夏の日差しはそれでも部屋の中を暖めます。これでは赤ちゃんたちだけでなく、親鳥も参ってしまいます。そこで、7月も目前となった6月の終わり、シロフクロウたちを涼しい部屋に引っ越しさせることにしました。引っ越し先は猛獣館1階のホッキョクグマたちの部屋。ここならクーラーも効くし直射日光も当たりません。引っ越しの準備を整えていざ新居へ…引っ越した当初は何が起きたかわからず、シロフクロウ一家は目を白黒させていましたが、時間がたつにつれ段々と落ち着いてきたようです。
 無事に引っ越して一件落着、となりましたが、実はこの記事が出るころには一家はさらに涼しいバックヤード棟に再度引っ越しを予定しています。残念ながらしばらくの間は、シロフクロウたちをご覧になることはできませんが、一家が快適に生活できるよう暖かく見守っていただけると幸いです。冬が迎えに来るまで、少しの間、お待ちください。

(動物病院係  宮田 鮎美)

231号の2ページへ »