でっきぶらし(News Paper)

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ヘビの仲間と熱帯鳥類館の新顔たち

 今年はヘビ年、ヘビをあてた巳の字は草木の成長が極限に達した状態をさすそうです。
 昔からヘビは信仰の対象になり、不死や永遠の象徴とされてきました。
 実物のヘビはあまり好感が持たれる生き物ではないようです。女性だけでなく男性でもヘビは見るのも嫌だという人がけっこういます。足のない細長い体をくねらせて動くようすから、なにかヌメヌメした感触を想像するからでしょうか。しかし実際のヘビの体の表面は乾いてすべすべしてけっこうさわり心地はいいものです。
 日本平動物園の「は虫類館」には世界最大のヘビの一つであるオオアナコンダをはじめ、ビルマニシキヘビ、ボアコンストリクターなどの大型のヘビ類、危険を感じるとボールのように丸まってしまうボールニシキヘビ、エメラルド色の体色がきれいで変わった体の巻き方で木にぶらさがるエメラルドツリーボア、赤、黒、白のリング模様がきれいなシナロアミルクヘビなどの外国産のヘビのほか、日本産爬虫類のコーナーにはシマヘビ、マムシなど、なじみのあるヘビも見られます。
 ヘビたちはじっとしていることが多く、観察していてもなかなか動いているところを見られません。しかし、オオアナコンダが頭の先だけを水面に出し、体をプールの水に沈めている様子を見て、アマゾン川の水辺で獲物の動物が水を飲みに近寄ってくる姿を思い描いたり、時々ビルマニシキヘビがおなかを波打たせてゆっくり直進しているところを見て、いわゆる「蛇行」とは違う進み方をするヘビもいるのだな、などと思わぬ発見をしたりすることもできます。は虫類館でゆっくり動物の生態の奥深さを観察してください。

 さて、熱帯鳥類館のジャングル展示室に新しい鳥たちが仲間入りしました。
ホウコウチョウ、オナガカエデチョウ、セイキチョウ、キンノジコの4種類の小鳥たちです。
ホウコウチョウは全長約10cm 、頭から首が灰色で、喉から腹にかけては白色、尾は黒い鳥で嘴は赤色です。ほおから目の周囲が紅色で、その名前「ホウコウチョウ=頬紅鳥」
はここからつきました。
 オナガカエデチョウは、全長約11cm、頭、背、つばさ、腰、尾は褐色です。体にさざなみ状の横斑があります。この鳥も目の周囲が赤色で、嘴も濃い赤色です。腹は赤色です。この赤色から紅葉になぞらえてカエデチョウと名付けられました。
 セイキチョウは全長約12cm。顔から胸、脇、尾にかけてがトルコ石のような鮮やかな青色で、「セイキ」は漢字で「青輝」です。
これら3種はアフリカ原産でカエデチョウの仲間に入ります。
 キンノジコは南アメリカ産の鳥で全長約14cm、全体にきれいな黄色の体色です。漢字では「金野路子」。」「野路子」は日本にも冬に渡ってくるノジコという鳥の名前です。
 植え込みの中で、古株のコウラウンなどの鳥たちといっしょに飛び回っています。小さい鳥なのでなかなか目にとまらないかもしれません。熱帯鳥類館のジャングル展示室ではちょっと足を止めて小鳥たちのかわいい姿を眺めてみてはいかがでしょうか。

動物病院担当 菅野 展美

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