でっきぶらし(News Paper)

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スポットガイドだより

≪9月16日 中型サル≫

 残暑が厳しい9月16日、中型サルのZOOスポットガイドを行いました。
 当園では現在、5種類の中型サル(ニホンザル・マンドリル・アビシニアコロブス・シシオザル・ブラッザグェノン)を飼育していますが、今回はこの5種類を獣舎の端から順番に解説・説明をする形式をとりました。
 一口に中型サルと言っても、その生態や生息地・食性はまちまちで、外見の違い以上に、種類ごと様々な差異があります。【サル】と言うカテゴリに大雑把にまとめられていても、それぞれ【まったく別のもの】と呼んで良く、多くの場合、遺伝学的に余程近い系統でなければ交雑(交配・繁殖)も不可能です。ちなみに、逆説的に説明すれば・・・例えば当園では飼育していませんが、タイワンザルと言うサルがおり、この種は当園で飼育しているニホンザルと交雑が可能です。両者は遺伝学的に極めて近い種だからです。しかし、当園で飼育している5種類は、この点でそれぞれ遺伝学的に非常に異なっているので、交雑する事はありません。
 さて、今回のスポットガイドは、女性担当者の親しみ易いお話から始まりました。
 余談ですが、実は、中型サルに限らず殆どのサルの仲間は担当者を【選びます】。
 担当者とサル達の相性が【選ばれる】大きな要素ですが・・・概ね、男性担当者よりも女性担当者の方が彼らに好まれたり、穏やかな人・おっとりしている人が好まれる、と表現すれば御理解し易いでしょうか?・・・こうした傾向で当園の現中型サルの担当者は、正に彼らに【選ばれている】状態だと思われ、彼女がゆっくりとした口調で話し始めて放飼場に近寄って行くと、各放飼場にいるサル達もぞろぞろ近寄って来ていました。
 これは凄く大切な事で、この状態であるからこそ、今回のスポットガイドはとてもスムーズに進行しました。前述しましたが、端から順番に各サル達の解説・説明を行ったので、肝心のサル達が近寄って来てくれないと、文字通り【お話にならない】からです。
 冒頭で述べましたが、非常に暑い日であったにも関わらず、ガイドに参加した皆さんは、沢山の子ども達も含め、熱心に担当者の話に耳を傾けて下さいました。これは担当者と中型サル達の関係が極めて良好であるからこその成果だったと思います。
 そして、もうひとつ・・・サル達が担当者の近くにぞろぞろ近づいて来た秘訣がありました。
 それは・・・担当者お手製の、サル用に特別に作ったアイスの差し入れ!!厳しい暑さもあり、冷たく、しかも甘い香りの特製アイスにサル達は夢中でした。あまりにもサル達が美味しそうにアイスを食べ、加えて甘い甘い香りが辺りにたちこめたので、参加者の皆さんの中には、子ども達はもちろん大人の男性からも『俺も食いてぇぇ!』と言う声が聞こえた程です。
 楽しく、和やかなスポットガイドになったと思います。

≪10月21日 フライングメガドーム≫

 10月21日、13:30よりフライングメガドームでZOOスポットガイドを開催しました。
 天気が非常に良く・・・格子状の巨大な天井ドームで覆われている施設とは言え、ほぼアウトドア状態の場所である為、すこし陽射しが暑いくらいでしたが、一時期の猛烈な残暑はかなり緩んでいたので快適なイベントを行う事が出来ました。
 このフライングメガドームは、以前、キリン舎やゾウ舎の近くにあったフライングケージを廃止し、当園内に上下に二つあった大きな池のうち、下側にあった池を大規模に改造して建設された物で、現時点では日本最大級のドーム(ケージ)式の鳥類放展施設です。  このフライングメガドームには、旧施設であるフライングケージで生活していた各種の鳥類がほぼそのまま移された以外に、数種の新しい鳥類も追加、更に以前、当園の正門を入ってすぐに展示されていた3種類のフラミンゴ達も引っ越してきました。
 今回のガイドのメイン会場は、このフライングメガドーム内の中央、池の真ん中にある、桟橋で行ける様になっている四阿風の(東屋風・あずまや風)観覧施設で、やや手狭ながらも直に鳥達を観察していただける場所として好条件だったので、あえてここを選択しました。
担当者は、今回も若い飼育員。飼育員経験3年目の男性職員です。
 彼はスポットガイドに関しては、今まで様々な形で参加・経験してきたので、非常に流暢にガイド導入が出来、何種類かの鳥に絞る形式で解説・説明を行いました。特に、フラミンゴの解説・説明では、当園の御土産コーナーで実際に販売しているフラミンゴの縫いぐるみを使用した為、沢山いた子ども達がぐんぐん彼に向かって接近して来て困ったくらいでした(多分、後で何体か売れたのではないでしょうか?)。
 非常に丁寧で判り易いガイドだったので、手狭な場所でしたが、参加者の皆さんは熱心に耳を傾けて下さり、特に、ガイド最後の【インカアジサシの魚のフライングキャッチ】は、担当者が空中に投げる小魚を、あちらこちらを縦横に飛び回るインカアジサシが上手に受け取る姿が間近で観察でき、驚きの声があがっていました。
 とても完成度が高いスポットガイドになったと思います。

ZOOスポットガイド班長 長谷川 裕

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