でっきぶらし(News Paper)

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コンドルの人工育雛

(藤沢 誠)
昭和57年4月29日、コンドルが産卵。前回、前々回と産卵し抱卵するも、すべて破卵してしまったために、今回は人工孵化させる事にしました。そして、6月22日の孵化予定日に向い、毎日温度、湿度に気をつかい、また卵の重さを計りながら22日をまちました。
6月21日午後6時30分頃、はし打ちが始まり、1辺が5mm位の正三角形状の穴があきました。その日は、そのまま孵卵器に入れておく事にしました。その夜にコンドルの卵にとって大変なアクシデントがおきました。雨が降り、雷が鳴り、園内に落雷したらしく停電してしまいました。翌朝すぐに電気を入れてもらい、孵卵器を作動させましたが、卵は前日の状態から少しも変わっていません。手に取ってみると、小さな命が息づいている様子が手に伝わってくるのがわかりました。“まだ生きている。”しかし、停電の影響か?22時間を経過した22日の午後4時30分になっても、卵には何の変化も見られません。そこで、コンドルの人工育雛の経験のある横浜市毛山動物園に連絡をとり相談した結果、人工的に孵化させる事にしました。慎重に少しずつ卵の殻を取り除いていく。“コンドルの雛が誕生した!”オスで体重155gの小さな体だが、さすがにコンドルの風格があります。
23日午後2時より、1回目の給餌を行ないました。肉や骨をミンチにし与えました。口を開け、ピンセットで中に入れてやると、ゴクゴクと飲み込みました。給餌は比較的楽に行われ、14gを食べ、5時30分の給餌と合わせ、この日は18g食べました。24日からは、給餌時間も朝・昼・夕と時間が決められ、少しずつ体重も増え、体も大きくなって行きましたが、孵化後12日目頃から、餌は食べますが消化不良となり、体重も減ってしまいました。その為、しばらくの間、抗生物質、整腸剤などの薬を餌に混ぜて与えるようにしました。
今では、餌もよく食べ、体重も1日100g近く増えるようになり、155gだった体重も1.5kg位までになりました。このまま順調に育ってゆけば、皆様の前にお目見えするのも近い事でしょう。

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