飼育日誌

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全身朱色のトキのなかま

ショウジョウトキ

鳥綱 コウノトリ目 トキ科

日本平動物園では

フライングメガドームの中で、多くの鳥たちと一緒に生活しています。全身が赤く鮮やかな鳥なので目立ち、すぐに見つけられます。また、湾曲した細長いくちばしを持ち、一見きゃしゃな鳥に見えますが、その姿に似合わず、意外と気性は荒いです。

2006年と2008年に待ちに待った雛が生まれ、その後順調に繁殖しています。雛のうちは親に似つかず黒色をしていますが、だんだんと親と同じように鮮やかな赤色になります。

一般的には

【分 類】
シロトキと近縁種で、近年の研究では同一種とする説もある。この根拠として、形態的また生態的に類似している点と、比較的に容易に自然交雑する点があげられる。ベネズエラの分布が重なり合ってる場所で、40以上の2種のつがいが報告されている。この2種はただ単に見た目の色の違いに過ぎないとも考えられている。

【分 布】
北と東のコロンビア、東エクアドルから北ベネズエラ、ギアナ地方とブラジル沿岸からアマゾン川の三角州に分布する。非繁殖個体はかつては繁殖地であったマルガリータやトリニダードまで飛来することがある。またブラジル沿岸やパナラ川でもかつては繁殖していた。最近ではサントス湾やサンパウロで個体数が回復している。

【形 態】
非繁殖期の成鳥の嘴は鮮明なピンクもしくは赤みがかっている。幼鳥は頭部と頸部が茶色と白の縞模様もしくはまだら模様をしている。下半身とお尻は白色、上半身は暗い灰色がかった茶色、羽の白い部分にピンク色が混じっている。

【生 態】
マングローブの湿地帯、泥だらけの河口、干満のある干潟、新鮮な水のある沼地、浅い湖、池、干潟、水浸しになった場所、魚のいる池、水田等に生息する。マングローブのある島、河口付近もしくは中、あるいは島の湿地の木や低木の上に営巣する。

【食 性】
主に甲殻類、特にシオマネキやその他のカニ、カタツムリや二枚貝を含む軟体動物、昆虫や小魚、ゴカイなどを採食する。30〜70羽の群れを作り、浅い水や泥に嘴を入れて餌を探す。

【繁 殖】
シーズンは様々であるが、主に雨季の間、スリナムでは4月から8月の間に繁殖期を迎える。明らかにその地域の水の状況に左右され、繁殖は激しい雨の後、つまり乾季の始まりに行われる。50-5000ペアの巨大なコロニーを形成し、他のトキ類やサギ類が混じることがある。地上から1ー4、5mのところに枝で平たい巣を作る。平均2個産卵する。抱卵期間は21ー23日間。雛は薄い黒色を呈している。育雛期間は35ー42日。

【渡 り】
海岸の個体は、渡りを行わないと推測されている。スリナムの強い乾季の時には、川に沿って内陸に移動する。現在では非繁殖個体のみトリニダード・トバゴに移動すると考えられている。乾季の間ヴェネズエラから渡りを行う。おそらく海岸を目指し北方へ移動する。群れは非常に高い高度を飛び、たいていはV字のフォーメーションを形成する。長距離を飛行し、時には営巣地から餌場まで数kmを移動する。西インド諸島へ迷い込むものもあり、アメリカ合衆国南東部でも目撃情報がある。これらは熱帯暴風雨の後に見られる。

飼育日誌より

2023.09.26
ショウジョウトキ 今年のヒナ、15羽程いるのを確認する。

2022.12.09
ショウジョウトキ 午前中クモザル付近の木に1羽で止まっている。

2021.04.03
ショウジョウトキ 営巣木がクロトキに占められてきたせいか、隣の隣の木に営巣を始めたペアもいる。むしろそちらの方が今後多くなっていきそう。

2019.09.08
ショウジョウトキ  幼鳥、本日初めて旋回する姿を見る。

2018.06.09
ショウジョウトキ ヒナ、成育中。

でっきぶらしより

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