でっきぶらし(News Paper)

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39号(1984年06月)6ページ

昭和58年度 動物園の1年 後編 1月

アミメニシキヘビの腫れ物切除・第2小型サル舎オープン他
 先月来、爬虫類館には大きな悩み事がありました。その館の最大の大蛇の横腹に“ハレモノ”ができていたのです。切除するしかないものの、どうやってするか、獣医にとっては頭痛のタネでした。
 まずは、“箱”に誘き寄せることから始まり、次に変温動物であることを唐ワえ、体温を下げるために2時間くらい冷蔵庫に入れました。体が冷え動けなくなったところで、“箱”より大蛇を取り出し、麻酔をかがせながらいよいよ患部が切開されました。
 どろどろと流れる血の中から出てきた“血腫”。それをようやくのことで取り除かれて、ほっとひと安心。後は傷口を縫合さえすればいいのですから。
 その手術に準備から何から半日かかり、それを手伝った飼育係も10人近く。とんだ真冬のひと騒動となりました。余禄としては、この時とばかりに計った体長でした。思ったよりやや短かく、5.6mほどしかありませんでした。
 23日、第2小型サル舎が待望の一般公開を迎えました。従来のキツネザル、マーモセット類に加え、新たにエリマキキツネザル、キンクロライオンタマリン、シロガオマーモセット、アカテタマリン、サドルバックタマリンが展示されることに。
 類人猿、旧世界サル、新世界サル、そしてキツネザル等の原猿類と、飼育される種数はかなり豊富になりました。地方の動物園としては充分過ぎるぐらいの数、と言えるでしょうか。
 1月の寒い時期ながら、出産関係では、オグロワラビーのビビの袋に再び子が入っているのが確認され、又、新夜行性動物館のジャワオオコウモリも、28日に子をしっかり胸に抱いているのが確認されました。これは、50頭以上もの大きな群れで飼育されている為に、かなり大きくなってからの確認でした。出産したのは、初旬あるいは先月であったかもしれない、と言うことです。

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