でっきぶらし(News Paper)

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100号(1994年07月)8ページ

「でっきぶらし」百号記念特集 トラ、途中ちょっぴり愚母ぶりも

気立てのよさが、子宝に恵まれる一番の元であったと思います。十四回三十七頭、とまあよく生み続けました。三年前の”個体別繁殖ベスト10”の中で堂々一位に入り、今なお記録を更新する勢いです。
で、そのお母さんぶりはどうなのでしょうか。総合的に見れば、面倒見のよいやさしいお母さんです。が、全てそうして育てた訳ではなく、途中ちょっぴり”いけないお母さん”ぶりも示したこともあったのです。
初産の人工哺育は、飼育する側の神経質さもあったので差し引くとしても、前回及び前々回の育児放棄は頂けません。へその緒からばい菌が入ったりして育ったのは一頭だけでしたが、結果はどうであれカズ(母親の名)自身の手で育てあげてもらいたいものでした。
カズの実績を唐ワえると、「何故」と疑問も湧いてきます。良母ぶりを示していたのが突然育児放棄したかと思えば、今回又良母に戻る。なんとも理解に苦しみます。
と言いつつも、それが育児の過程です。過去にはひと晩別居しただけで、親子の縁があっさり切れたこともありました。ちょっぴり悪くをも綴ったのがカズの育児ドラマで、それを積み重ねる中で、いつしか”日本一”の呼び声がかかるようになったのです。
やさしい穏やかな顔にまだ衰えは見られませんが、確実に忍び寄っているのは確かです。親子の仲睦まじさが見られるのも、ひょっとして今回が最後かもしれません。
(第35号・良母愚母・第三回より要旨抜粋)

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