でっきぶらし(News Paper)

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70号(1989年07月)4ページ

一九八九年繁殖動物を追う 松下憲行【レッサーパンダ 人工哺育に挑戦

 子供動物園の人気者、レッサーパンダ。この赤ん坊、生まれた時は何色をしていると思われますか。こげ茶色か茶色のまだら模様を想像されますか。実は真白、ホッキョクグマの子と見間違えるぐらいです。
 レッサーパンダが生まれたと聞いて、スワッ野次馬根性、見ずにおくものか、撮らずにおくものか。で、目の当たりにして改めてへェーッと感心した次第です。
 白いというのは、前回の出産時に聞いていました。しかし、自らの目で確かめたのは、この時が初めて。
 ふわふわ、小さな綿のかたまりのよう。そんな真白な赤ん坊が、綿にどんどん浸み込ませるようにミルクを飲んでゆきます。ひっくりかえった時に見たお腹は、超ミニサイズの太鼓腹。
 ちょっぴり、少しずつ体の毛模様が変化してゆきました。白から灰色、それに少し茶色味がかった色にと。顔の毛色模様の変化は特に早く、ここだけはすっかりレッサパンダらしくなりました。
 ミルクの飲みは、途中悪くなったそうです。連日の猛暑は、綿のかたまりのような生き物にとっては、何とも辛い日々だったでしょう。世話するほうも、くたびれたであろうと思います。
 まだ離乳は始まっていません。でも、手足にだいぶ唐?張る力がついてきました。七月十七日に生まれた時に百十gだったのが、九月四日現在で九百g。着実に成長しています。
 秋には、皆様の前にお目見えするでしょう。人気者になることは、疑いなし。そんな日が楽しみです。

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