でっきぶらし(News Paper)

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69号(1989年05月)6ページ

フライングの無法者【久々の平和を破ったのは…】

 一連のガン、カモメ群が追放されて平和なひとときを迎え、アメリカオシ、ショウジョウトキ、バン等の繁殖が順調に続いたように思います。
 そんなある年、妙なひなが。何のことはない、連れ合いを失った(といってもメス、メス)カナダガンがインドガンと再香A雑種ができてしまっていたのです。
 雑居飼いをしていると、時々起こる望まぬ繁殖。以前にも、ゴイサギとコサギの間で何ともいえぬ変なひながかえったこともありました。当然、このような状態が放置される筈がありません。インドガンのオスは放出され、そしてカナダガンのオスが新たに迎えられました。しかし、彼が久しく続いた平和を打ち破る無法者になると、この時いったい誰が想像できたでしょう。
 繁殖に入るにつけ徐々にテリトリーを広げ、ひながかえると敵意は同居している鳥類にだけでなく飼育係にすら向けられるようになりました。
大番で一週間に一、二度のペースで入りましたが、非常に神経を使いました。ポケーとしているとい体当たりしてくるか分からないし、かといって下手に手出しして傷つけてしまう訳にもいかないし…。
 次の年には、彼らの行動範囲を限定すべく、テリトリーの周囲に柵を授け、金網を張り仕切ってしまいしまた。けれども、どれだけトラブルの予防になるか。飛翔力があるのがうかつにしろ入ってしまっては、どうしてもトラブルは避けられなくなります。
結論は、今まで同様に追放と相成りの親子四羽仲よく水禽池へ。フライングケージの時のように抱卵させるには、カラス、タヌキ等の侵入者が多くて条件は厳しいですが、それでも今年は有精卵が取れ、ふ卵器でながらかえっています。
 もう少し環境を整備すれば、自然ふ化も夢じゃない!?春らんまんの時期に池の中をスィースィーと泳ぐ親子の愛らしい姿が見れれれば最高ですが、ちょいっと甘い夢でしょうか。
 ともあれ、カナダガンのテリトリーへの意識はが強過ぎたのが故のてん末でした。

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