でっきぶらし(News Paper)

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116号(1997年03月)6ページ

あらかると 「マコ、ありがとう」

 4月5日の雨の降りしきる中、満開だった桜の花に見送られて、ロバのマコがその一生を終えました。
 これでまた、数少ない開園以来の仲間がいなくなりました。推定年齢は少なく見ても32才。解剖の結果は、直接死因に至った変化は無かったとのこと、天寿を全うしたと言ってよいでしょう。
 思えば、この数年来は、毎年のように梅雨から夏の盛りにかけて危ないということを耳にしていました。その度に名残りを惜しんで会いに行きましたが、彼自身の体力と歴代の担当者の手厚い看護で乗り越えてきました。しかし、今回はとうとう駄目でした。
 昭和44年に日本平動物園が開園、その時に彼の担当として関係が始まりました。それまで動物を担当したことがあると言っても、ニワトリぐらいなもの、ロバは家畜ながら私には野生動物のように思えました。
 彼は私にとって、動物飼育のイロハを教えてくれた先生、と言っても過言ではありません。彼の一挙手一投足が教材でした。
 それにただ展示動物としてだけでなく、静岡祭のパレードに参加、園内パレード、幼児動物教室、動物と一緒に記念撮影などで目を見張る活躍をしてきました。園への貢献は相当なものでした。
 彼の当園で過ごした日々は、悔いのない生活だったと信じたいと思います。本当に長い間お疲れさまでした。マコ、ありがとう。
(池ヶ谷正志)

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