でっきぶらし(News Paper)

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72号(1989年11月)14ページ

実習をして 日本獣医畜産大学 今泉貴善【小型サルにて・マーモセット

 実習をするにあたって、何かテーマを持ってやらなければならないのだが、僕にはそれがなかった。とにかく、その動物に対して疑問に思ったことは解決していこうという気持だった。
 小型サルで疑問に思ったことは、タマリンとマーモセットは、いったいどういうことで区別をつけたのだろう、ということだった。まず獣医さんに聞いてみると、歯のはえ具合いの違いで区別していることがわかった。マーモセットの門歯は、犬歯のように大きいということだった。
 それ以外にはないのだろうと考えながら実習に入っていった。飼育実習をしていくうたに、マーモセットよりもタマリンの方が性格的に荒いのではないかと思った。なぜそう感じたかというと、餌をあげるためにオリに近づいていくと、マーモセットの場合は、臆病なせいか、急いで放飼場へ飛び出してしまうか、木の巣箱の中へかくれてしまうのだが、タマリンの場合は、目を輝かせて餌を入れる入口の所へやって来て、待ちぶせしているのだ。だからタマリンの場合は、餌を入れる時に餌めがけて飛びかかって来るので特に注意してすばやくやらなければならなかった。またタマリンの仲間は、同居している仲間の尾をかみきってしまっている。これらのタマリンの性格が一番よく表れていたのが、ムネアカタマリンであった。以上のことから僕はマーモセットよりもタマリンの方が性格的に荒いのではないかと感じた。
 他に観察していて気がついたことは、マーモセットは耳に長い毛があり、多くは尾がしま模様であるのに対し、タマリンは、耳に長い毛ははえていないし、尾も全体的に黒っぽく、しま模様ではないという違いがあることに気がついた。
 これで僕の話も、実習も終わりですが、日本平動物園と縁があってか、一月、二月と今度は臨時職員として、夜行性動物館をまかされることになりました。自分が本当にやれるのだろうか心配ですけれども、とにかく一生懸命やりたいと思います。

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