でっきぶらし(News Paper)

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109号(1996年01月)10ページ

動物の仕草・動作あれこれ?U(類人猿編)【男と女の間には…(ゴリラの

 何年も前からトトがオスのゴロンを誘う仕草をしているのを聞いています。つい先立っての担当の話でも、恐らく排卵日辺りでしょうが、今でも誘惑の仕草は示しているそうです。が、肝心のゴロンが無関心なのが現状のようです。
 少年少女期には、2頭で仲よく遊んでいるのがよく見られました。男の子と女の子であれば、そこには当然のようにエッチの真似事も絡みました。将来への希望も大いに抱かせもしてくれました。
 しかし、ゴリラの場合、オスは青年期に入ると同居していたメスに対しては、異性として見なさなくなってゆく傾向があるのです。あえて理由を探れば、兄妹化があげられるでしょう。それだけの高度な感情と繊細な神経を持ち合わせています。
 その風貌から大変誤解され易くはあります。確かに一見しただけでは、荒々しくどう猛な生き物に見えなくもありませんが、超がつく誤解と偏見であると言わねばなりません。
 彼らと関わると、とにかく神経質で気むずかしいのには驚かされます。それと大変性的欲求が乏しいこと、まさかこれほどとは思えないぐらいです。
 ほぼ一人前になっている現在も、朗報に沸き返ることはあるまいとの状況です。なんとかとの思いを更に切なくさせるのは、ゴロンが失っている意欲をトトがまだ持ち合わせていることです。
 元来、ゴリラは一夫一妻ではありません。野生では単雄単雌群、すなわち一頭のオスに少なくとも三〜四頭のメスがいて群れが形成させているのです。そうして群れの調和が保たれています。
 メスが三頭以上いてやっとオスと対等の関係ができ、そうした調和が保たれている中でメスがメスを出し抜いてオスに迫る時、男と女の関係ができるようです。そして、そのメス達とは兄妹化していないことが条件です。

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