でっきぶらし(News Paper)

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136号(2000年07月)12ページ

【日本平動物園での社会貢献体験研修】  大谷小学校 實石紀満子

 今回、社会貢献研修ということで学校を離れて働けることになり、動物園での研修をとても楽しみにしていました。研修はこども動物園の佐野さんについて飼育小屋の清掃から始まりました。小学校でもうさぎを飼育していますが、小屋はなかなかきれいになりません。動物園の飼育小屋がとてもきれいになっていることに驚きながら実際に自分がやってみると糞はとれないやら、羽はいくら掃いてもきれいにならないやらで悪戦苦闘。実際にやってみると本当に重労働です。清掃が終わるとれレーナの小屋に連れていってもらいました。レーナの仕草が1歳の我が子にどことなく似ていて可愛いなと思い、調子にのって遊んでいると、ふと、佐野さんと私に対するレーナの態度に大きな差があることを発見しました。佐野さんに叱られるときにはしっかり目を見ているのに私の顔を落ち着いてみることはほとんどありません。世話をしている歳月の重みを感じたときでした。

 こども動物園では笑顔のさわやかな佐野さんも類人猿舎に行くと表情が険しくなります。ゴロンが餌を食べず治療も進まないからです。我が子も生後7ヵ月で重い病気にかかりほとんど食事が食べられない時期がありました。飼育に携わっている方々の苦労がひしひしと伝わってきました。動物たちに多くの方々の愛情が注がれていることに驚くとともに、動物園で動物を飼育することの難しさを実感しました。小学校に帰り、子供達に動物園での研修の話をすると病気のゴロンのこともよく知っていました。それから間もなく、ゴロンの突然の死を知りました。集団で生活することの難しさと大切さは学校生活でも共通することだと思います。また、我が子と動物園に行く日を楽しみにしています。そして、毎日飼育に携わっているみなさんほんとうにありがとうございます。

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