でっきぶらし(News Paper)

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275号(2023年12月)7ページ

動物園DⅠY事情

 みなさんはじめまして。今年度から動物園の配属となった新人事務職員です。今回は、「動物園DⅠY事情」ということで、事務職員の目線から見た動物園の様子をお伝えしたいと思います。普段から書き慣れている飼育担当に比べ、読みづらい文章になってしまっているかもしれませんが、ご容赦ください。

 動物園に来て驚いたことのひとつが、「自分たちでやれることはやる」というDⅠY精神の強さです(もちろん、自分達ではできない物事は専門の方々にお任せしていますが)。

 例えば、獣舎で日々使う設備はその多くが「営繕作業」といって動物園内にある作業小屋で作ったり、修理したりしています。動物達のトレーニング用の台や獣舎の扉、暑さ対策の散水パイプ、掲示用の看板など要望は様々。担当の職員がオーダーメードで対応していきます。また、各動物のトレーニングで必要な道具は飼育担当が手づくりしていることも多いです。検査などで用いる機材に慣れてもらうため、その機材そっくりのトレーニング道具を作っている場面を見せていただいたことがあるのですが、複雑な形をよくここまで再現できるなぁと驚いた記憶があります。

 広報関係でも、DⅠY精神を発揮しています。例えば、皆さんが動物を見る際、周りにある動物紹介の掲示物は、そのほとんどが飼育担当の手作りです。動物の基本的な特徴はもちろん、それぞれの担当がおススメするポイントや知っていて欲しいことが書かれており、読み応えのある内容となっています。また、毎月第3土曜日に先着配布している缶バッジなどのノベルティや、イベント時に用意する案内看板の多くは、デザインソフトを使える職員の手作りです。質の良いグッズが結構な頻度で登場するのは、日本平動物園の強みだと感じます。(ちなみに、私も動物園に来る前は、「自分、市職員にしてはデザインソフトちょっと使える方だな」なんて思っていたのですが、異動早々にその考えは粉々に散っており、今や跡形もございません。精進の日々です。)

 自論にはなってしまうのですが、DⅠYで作りあげたものは、作り手の伝えたい思いが伝わりやすいと考えています。また、動物園の職員は仕事に対する思いが強く、その思いが少しでもお客様に伝わると良いな、とも考えています。

 皆さんが来園される際に見かけたり、受け取ったりするものは、実は動物園から伝えたい想いが詰まっています。「これは誰が、どんな目的で作ったのかな?」ぜひそんなことを考えながら動物園を回ってみてください。

山脇 一城

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