でっきぶらし(News Paper)

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266号(2022年06月)3ページ

「ジャガーの子供 放飼場デビュー」

4月から新しく猛獣館3階ピューマ・ジャガーと猛獣館2階アザラシの担当になりました。ジャガーについては、担当となる10日程前に、11月に誕生した子供2頭の室内展示室の公開が始まったばかりで、私の頭の中では「放飼場での展示も無事に公開できるといいな」と願っていました。ジャガーの子供の名前は、4月末に姉の黒い仔が「小春」で妹の黄色い仔が「小麦」に決まりました。皆様のおかげで素敵な名前を命名することができました。ありがとうございました。

さて2頭をはじめて放飼場に出したのは、前任者の時で3月28日の休園日でした。小麦がとても慎重で、放飼場と寝室へとつなぐ通路の扉も開けたまま30分程放飼場に出したと聞いていました。それを聞いて、よし!翌週も休園日に出してみよう!と思ったのですが、雨で出鼻をくじかれ、1週間待つことにしました。そして同じく休園日の4月12日、小春はすぐに放飼場に出ていき遊んでいましたが、やはり小麦は慎重で放飼場と寝室へとつなぐ通路のシュート扉付近の所に居座り、5分程動きません。その後少しずつ動きはじめたので、通路の扉をゆっくり閉めました。50分後には、浅いプールに小春が入り、その後すぐに小麦も入り2頭楽しく遊んでいました。母親の小梅はというと、放飼場に出てから、子供を見つつ、木で上まで登り、放飼場のパトロールをしていて大忙し。異常なし!かと思いきや、しばらくすると猛獣館2階にいるライオンの吠える声が「ガォ~‼」としました。すると子供から少し離れていた小梅がすぐに寄ってきて、自分の脚の間に子供を隠しました。「ライオンはいないよ!」とつぶやく私をよそに、「ライオンはどこだ!どこだ!」と牙を出し探し歩いていました。この日は1時間30分程、放飼場に出してみました。

寝室に戻るとき、小春が放飼場に居座り戻ってこなかったのですが、一度寝室に戻った小梅が放飼場まで迎えにいく姿も見られ無事に3頭入舎することができました。そして翌週も休園日に放飼場に出して、特段問題がないことが確認できたため、いよいよ開園日に出してみることにしました。

開園日の放飼場デビューは4月20日でした。3頭ともスムーズに放飼場に出ていき、小梅と子供は追いかけっこをするなど、楽しくはしゃいでいました。はしゃぎ過ぎたのか、1時間30分を過ぎた頃には、子供もお疲れで途中くつろいでいました。寝室に戻ってくるのもスムーズでしたが、子供たちは馬肉・鶏胸肉・鶏頭などの餌を少し食べたあと、巣箱にいき、眠ってしまいました。その後プールの水位を少しずつ上げたりしても問題はなく、子どもたちは木登りの練習をするなど順調に放飼場で過ごすことができています。

私が直接観察しているのは4月からの3頭になります。はじめての出産・子育てのなか、新米ママの小梅、頑張っていますので、子供と共にご注目していただければと思います。  
                           
(中根 建宜)

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