でっきぶらし(News Paper)

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264号(2022年02月)6ページ

「昆虫食」

ここ数年アウトドアブームらしいです。また、最近では今まであまりメジャーではなかったソロキャンプ、野宿、車中泊などのジャンルも注目されています。動画サイトなどを見ると多くの人たちが映像をアップされているのですが、視聴競争も激しいらしく有名な方や長く活動されている方以外はなかなか再生回数を稼ぐのは難しいみたいです。

しかし、そんなレッドオーシャンの世界でここ2~3年急激に成長しているジャンルがあります。それは食材を野原、川などで採集し調理、実食している「野生の物を食べる系」の人達です。タンポポなどの雑草や山菜、魚などだけでなくセミなどの昆虫、クモなどの節足動物を調理して食べているのが「どんな味がするのだろう?」と興味を注ぎ人気があるのではないのかと思います。そんな野生の物を食べる系の方たちの動画を見ていると皆揃って言う言葉があります「バッタ系はエビの味」です。つまりおいしいと言うことです。

と、ここまで読んでもらいましたが「動物園と何の関係が?」と思われるかもしれませんが、ここからが本題です。「バッタ系→エビの味→おいしい」ということは「バッタ系=コオロギ→おいしい」という事になります。人間が食べておいしいという事は味覚が違ったとしても動物にも当てはまるのではないのでしょうか?実際与えてみると昆虫を食べる動物はよく食べてくれます。さらに昆虫しか食べない爬虫類には主食となります。なぜかというと嗜好性もよく栄養バランスが比較的良いからです。ただそのまま与えるとカルシウムが足りないので粉状のサプリメントなどを振りかけるダスティングという方法で栄養強化し与えています。

そんな、万能なコオロギですが成長が早く、ニホンヤモリなどの小型の爬虫類にはコオロギを購入してもすぐに大きくなってしまい食べられないサイズになってしまいます。それを解消するために今では、衣装ケースを使い「卵→幼生→成虫」を繰り返し、サイズをそろえて自家繁殖を行っています。残念ながらバックヤードで飼育しているため見ることはできませんが、気になる方は、は虫類館のワニガメの近くで耳を澄ませてみて下さい。運が良ければ秋でもないのにコオロギの声が聞こえるかもしれません。

(岩田雅也)

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