でっきぶらし(News Paper)

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260号(2021年06月)4ページ

ヒツジの毛刈り 新人の課題

 初めまして!去年の11月からヤギとヒツジを担当している時田といいます、よろしくお願いします。
4月後半から5月前半に新年度始まって最初の大仕事があります、それは羊の毛刈りです。今年も新型コロナウイルスの影響で皆様と一緒にできなくてとても残念でしたが、なぜ毛刈りをしないといけないのかを、今年の毛刈りの様子と共にお話していきたいと思います。

 最初になぜ毛を刈るの?と疑問に思いますよね。ヒツジは毛を利用するために改良された動物です。古い毛が抜け、新しい毛に生え変わるということがありませんので、そのままにしておくと毛は伸び続けてしまいます。人間で例えると真夏にモコモコのコートを着ている状態ですね(笑)。その状態にしておくと、体温調節が上手くできなくて熱中症になり、最悪死んでしまうこともあります。だから暑くなる前のこの時期に毛を刈ります。今年は気温が不安定な日が多く、まだ肌寒い日が続く中で毛刈りをして大丈夫かなと少し心配しましたが、毛刈り直前では気温の高い日が続いてくれて良かったです。
今年はバリカンを修理に出したり、新しいバリカンの刃を買ったりと準備を万全にして行いました。

「足りなかったのは担当の度胸ぐらいでした(汗)」。

 実際やってみて、抑えていても動くヒツジの毛をバリカンで刈るということはとても難しく、皮膚を切ってしまう可能性があるので慎重に毛を刈っていきました。しかし、慎重にやって遅くなると逆に抑えているヒツジが疲れてしまいます。丁寧に早くを意識してやるのですが、急に動くヒツジ相手だと上手くいかないなと思いました。

 もう一つ大変だと思ったことがあります、それはヒツジの毛の油でバリカンの切れ味が悪くなることです。ヒツジにはラノリンといって、雨にぬれても水が体の中までいかないようにする水はけのいい油を毛に多く含んでいます。ヒツジは見た目どおりとてもモコモコしています。この油がないと雨に打たれた時、ビショビショになり体温が奪われて風邪をひいてしまうかもしれません。ヒツジにとって大事な油なのですが、毛刈りの時には油のついたバリカンの刃を洗わないといけないという手間がかかるので、毛を刈る私たちには非常に厄介なものなのです(笑)。

 最後に、私自身、初めての毛刈りで緊張していましたが、無事毛刈りが終わり、ホッとしています。今年は非公開の毛刈りでしたが、来年こそは皆さんと一緒にできたらと思います。毛刈りの際、二頭いるヒツジの見た目をわかりやすくするため髪形を意識したので是非、ふれあい動物園に遊びに来て見てみてください。 
  
(時田 有都)

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