でっきぶらし(News Paper)

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240号(2018年02月)3ページ

マンドリル サマンサ奮闘記(続き)

 しかしまだ問題は残っているのでした。寝室に戻るときに起こる、サマンサとマロンの餌の奪いあいです。何か対策を打たないと、マロンが急激なダイエットに耐えられません。そこでいろいろ試してみました。まずは他の部屋と同じように餌を部屋全体に散らしてみました。結果は大失敗。マロンは一人でいたいので、床の拾いやすいところの餌だけをほお袋に詰め、他はサマンサが全部食べてしまいます。サマンサが寝室にいればマロンは放飼場に、放飼場にいれば寝室に移動。まさに無限ループ。しかし、この寒空の下にマンドリルを放置しておくわけにはいかないので、獣医の手も借り、何とか2頭を寝室に戻し、もう二度としないと心に誓いました。
 今度は一番高い台の上だけに細かく切って散らしました。が、これも成功とは言いづらい結果に。とにかくサマンサとのスピード差が大きく、高カロリーな好物は先にサマンサが全部ほお袋にインしてしまうのです。これではマロン激やせ、サマンサ激太りの道をたどるのは目に見えているので没。
 ここで私はひらめいたのです。
「そうだ、大きく切ろう。」と。
名付けて「サマンサのほっぺたいっぱい作戦」。すべての餌を大きめに切って、サマンサが簡単にほお袋に入れられないようにしました。加えて、白菜で一部の好物を隠し、マロンが来るまでに全部見つけられないようにしました。結果は成功!マロンも好物を食べることができました。
 最近ではマロンとサマンサの距離はさらに縮まり、お互いに毛づくろいをしてあげたり、サマンサがマロンにもたれかかって眠っているのをマロンが支えてあげていたりと仲良しな一面も見られるようになりました。反対にマロンも強気になり始め、サマンサが餌をとると怒って餌場から追い払うように。今はお互いが落ち着いて食べられるように、「ほっぺたいっぱい作戦」はそのままに、二か所に餌を置いてサマンサはキーパー扉の前、マロンは高い台の上で食べています。これからも2頭の関係に合わせて少しずつ変わっていくかと思います。
 意外と長くなってしまいましたが、当園のマンドリルファミリーのことを知っていただけたら嬉しいです。夢の3頭展示を目指して努力していきますので、今後ともあたたかく見守ってください。
(増田 知美)

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