でっきぶらし(News Paper)

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232号(2016年10月)6ページ

【あらかると 飼育員さんのナイショ話】 ようやく・・・プラス1(ワン)

 今年の7月7日、新しいオスキリンがアメリカから再びやってきました。再びという言葉を使うのは、昨年残念な出来事があったからです。
 昨年の10月の末に日本平動物園には、約1年半ぶりにオス・メス2頭のキリンがアメリカからやってきました。しかし、1ヶ月しないうちにオスのキリンが死亡してしまいました。それから8か月、メスキリンのサクラは、1頭で寂しく暮らしてきましたが、キリンにとっては苦手な寒い冬、性格も警戒心が非常に強く、飼育員にもなかなかなれてくれません。夕方、部屋に入る時もかなりの時間をかけて入ります。2月のある日の事ですが、夕方いつものように部屋に入れようとしましたが、相変わらず入ろうとしません。まあ、いつものことかとしばらく待っていましたが、時間がたつにつれどうも普段と様子が違うなと感じました。
 18時、、、19時、、、20時、、、、、、全く部屋に入ろうとしてくれません。無理やり追いやって入れようとも思いましたが、転倒などしてケガを負わすわけにはいきません。ただひたすらサクラが部屋に入るのを祈りながら待つこと数時間、日付が変わり0時30分ようやく部屋に入りエサを食べ始めました。疲れたというより、ほっとして帰路につきました。
 あれから半年強、少しづつですが人にも環境にも慣れてきているようです。
 そして、オスキリンとの新しい出会いです。7月7日の搬入の日、その日は朝からサクラは部屋からは出さず、1日中室内で過ごしてもらい新しい出会いに備えてもらいました。隣の部屋に搬入するのですが、2頭とも暴れることなく出来るだけスムーズに入ってくれればいいなと思いながら、その時を待っていました。多くのスタッフの助けをもらいながら、新しいキリンが部屋に入りました。私の心配など全く関係なく、静かに入りました。サクラも動じることなく、いつもと変わりなく過ごしていました。新しいオスキリンですが、人を警戒することもほとんどなくエサもよく食べて、元気もあって、本当に安心しました。
 問題の(笑)部屋の出入りもビックリするほどスムーズなキリンでサクラもそこは見習ってほしいところです。日中も外の放飼場を元気に歩き回り、エサの採食もよく元気も有り余るくらいあって、嬉しい限りです。♂キリンが来園して1ヶ月が経った頃、市民の方々から募集していた名前の命名式が行われました。田辺市長にも駆けつけて頂き、素晴らしい式になりました。リオ オリンピックにちなんで、『リオ』と命名していただきました。馴染みやすく良い名前だと思います。
 サクラとリオ、2頭の相性も今のところ非常に良いと思います。このまま仲良く過ごしていってくれれば、数年後には2頭の間に2世誕生のお知らせが出来ればいいと思います。
 皆様も来園の際はぜひキリン舎へお立ち寄りください。

(飼育係  児玉 賢之)

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