でっきぶらし(News Paper)

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226号(2015年10月)7ページ

スポットガイドだより No1

《7月19日 小型サル》

 7月19日・13:30より、小型サルのZOOスポットガイドを行いました。この日は関東・甲信地方が梅雨明けした日で、大変に暑い日でした。 
 日本平動物園に何度か足を運んでくださった方々でしたらおわかりだと思いますが、小型サル達がいるゾーンは、シロサイ舎やマレーバク舎がある所を過ぎた辺りにあり、簡単に言えばマレーバク舎の隣です。ここはもう、夏場は嫌になるくらい直射日光がさんさんと照りつける場所です。実は、これは小型サル達の事を考えての立地で、当園にいる種類の小型サルは、どの種も、乱暴な表現かも知れませんが暑ければ暑いほど元気になる様な動物です(乾燥地系の暑さには適しませんが)。これは逆説的におはなしすれば、要するに寒さに弱い…という意味になります。この為、必然的に冬季は陽あたりの良い場所に居る事が大事な条件で、この点でも当園の小型サル舎の立地は好環境なのです(補足しますが、もろに直射日光の下に晒されている訳ではなく、各サル達の展示場には葉が茂った樹木を入れてあります。流石に【暑さ】には強いものの【熱さ】には弱いからです)。さて、実は当園の小型サル舎は、国内でも有数のサルの種類をコレクションしている施設で、他の動物園の方々やサルマニア?からは『小型サルなら日本平動物園!』と言われている程です。特に、エンペラータマリンと言うサルは、あくまで動物園系で国内飼育されているものに限定されますが、日本で保有されている5個体のうち、2個体がいます(1頭のみ展示。もう一頭は非公開)。しかし、この日本国内の動物園で飼育されているエンペラータマリン達は全てオスであり、自然界でも激減しているので、もう海外から輸入する事は出来ません(エンペラータマリンは海外産)。つまり、近い将来、日本でこのサルの実物を見る事は不可能になると思われます。…言うまでもありませんが、繁殖出来ないからです。規制前に個人で購入して飼育している誰かが、メスを提供してくだされば話は違いますが、まず、それは無理でしょうねぇ…。
 ですから、どうか皆さん、本当に現実的な話、日本国内で生きているエンペラータマリンを直接見る事が可能なのはもう限られた時間しか無いので、どうか彼らが元気なうちに会いに来てあげてください。
 こうした話も含めて、今回、動物知識が豊富な担当者が、わかりやすい解説を行ってくれました。担当者、大変に実りのあるガイドでしたよ。

飼育係 長谷川 裕

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