でっきぶらし(News Paper)

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226号(2015年10月)4ページ

長寿の秘訣は?

 日本平動物園では毎年動物園を支えてくれる動物たちに感謝の気持ちを込めて長寿動物表彰式を行っております。今年は9月13日に行いました。その年ごとに表彰される動物は異なり、今年は動物病院で飼育されているフェネック2頭が表彰されることになりました!!フェネックは小さい体に大きな目と大きな耳を持ち、かわいらしい見た目から日本平動物園でも目立ちはしませんが、ひそかに人気の動物です。今回表彰される2頭は、現在夜行性動物館で展示されている「マリン」の両親にあたり、実は今年の2月まで夜行性動物館で長年展示され愛されてきたおじいちゃん、おばあちゃんフェネックです。フェネックの寿命は飼育下で10~12年といわれています。この2頭のフェネックは2002年生まれなので今年で13歳になります。動きも徐々にではありますが鈍くなってきたので今年の2月に、それまで動物病院で飼育していた2頭の子供「マリン」を展示場にだし、長年頑張ってくれた2頭には動物病院でゆっくり時間を過ごしてもらうことになりました。
 ゆっくり平和な時間を過ごしてもらいたいのですが、フェネックの特におじいちゃんは老衰が激しく水を飲もうとして水入れに入ってずぶ濡れになる、日光浴が大好きで日向を好むが熱中症になる、ドアの隙間に入り込んで寝る、目も見えていないのでエサを口元まで運ぶ、床が滑りうまく歩けないのでカーペットを敷く、床ずれ防止のために同じ態勢で寝かせないなど、この半年と少しの間にたくさん飼育員と獣医をハラハラさせてくれました。
 おばあちゃんの方は動物病院の生活に慣れてきたのか毛並みも良くなり、平穏に過ごしていますが仲良しのおじいちゃんの様子を気にするそぶりも見せています。この2頭の飼育を担当させてもらってから、動物も人と同じように年を取るんだなとつくづく感じる毎日です。
 動物園内の動物病院は治療をし、具合の悪い入院動物を飼育する場所であることから基本的に来園者は入れない場所であるので2頭に会うことはできませんが、今回表彰されることで久しぶりに来園者の皆様に2頭を見てもらうことが出来ました。
 自分の担当動物が長寿動物として表彰されることは飼育員としてとても誇らしく、うれしいことです。これからも、動物にとっていかに居心地良く過ごせるかをよく考え、健康に過ごせるように飼育業務に工夫と、細心の注意を心がけたいと思います。
 日本平動物園には他にも、シェトランドポニーの「ポン」、シシオザルの「チュリナ」など長寿の動物がいます。次回来園された際には動物の年齢にも注目してみてくださいね!!

動物病院係 志村 楓

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