でっきぶらし(News Paper)

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224号(2015年06月)2ページ

ハヅキの成長

 季節はただいま梅雨の真最中、動物園もお日様を待ちどおしい時期ですが、園内は今を盛りと鮮やかなアジサイが咲き乱れて皆様の来園をお待ちしております。
 こんにちは、私はオオアリクイのハヅキ(葉月)です。昨年8月生まれで木々が元気に成長する様に元気に育って欲しいとお客様が命名してくれました。いつも元気一杯、ナイスレディーの私が生活している場所は、春は桜、秋は紅葉が綺麗な動物園の一番奥、レイクサイド日当良好、プールつきの一戸建、そこにパパ(フジオ)とママ(ヒナ)の3人(頭)で暮らしています。
私が産まれてから10カ月経ちました、相変わらずママにべったり甘えております。いつも私の世話を焼いている執事(飼育員)が、『いい加減に親離れして下さい』などと小言を言っておりますが、やさしいママの暖かい背中から(オオアリクイはこどもを背中におぶって行動します)なかなか離れることが出来ません(笑)。
 ところでそんな私が毎週やっていることがあります。それは身体測定です。私が産まれてから欠かさず体重、身長、その他に脚や尾の長さなど、主治医(獣医)と一緒に測定しています。初めはその度にお母さんから離されて、「なんでそんなことをするの!」と思ったのですが、執事曰く、『ハヅキ様が健康に成長しているか確認するのも私目の仕事です』。などと言うもので、最近は「まあしょうがないわね」、と付きあっております。
 身長や尾の長さなどは私がじっと立っていると、主治医が計ります。鼻先から尻尾にかけてスケールを当てられるとちょっとくすぐったいですが其処はじっと我慢、生まれた頃は頭胴長38cmでしたが、最近は115cmなどと、主治医のお姉様が言っております。 体重は執事が測定します。誕生直後は1740gだったらしいですが、今では約28kg(キャーはずかしい!)まで成長し、「ハヅキ様が元気に成長してジイはうれしゅうございます」などと言われます。
 皆さん、私の体重はどんなふうに測定していると思いますか。毎週測定するので体重計は自宅(獣舎)に常設しております。最初はレッサーパンダさんが使用している人間の新生児用の体重計をお借りしていました。産まれたばかりの頃の、体重計にちょこんと乗っている写真を見ると「随分私って小さかったな~」と思います。しばらくして専用の体重計(これも新生児用)を購入してもらいましたが、私の成長が早くてすぐに測定上限値(10Kg)を越してお役御免(成長の速さに驚!今は病院で使用しております)、その後は私を箱に入れて(荷物じゃないですよ)、一般家庭で使用している体重計で測定する様になりました。しばらくはこんな感じでしたが、その内箱にも治まらなくなり、とうとう執事が抱っこして(もっとイケメンに抱っこされたい~!)測定しています。執事が自分の体重がばれてしまうなどと言っておりますが、それは私の言葉ですよ、全く!!まあこんな感じで身体測定していますが、私って元気に成長したなって思います。ちなみに執事が抱っこできないおパパやママをどうやって体重測定するかと言うと、2本の棒状の体重計(スケールバー)の上に板を置いて、ご飯に釣られて乗ったところで測定するそうです(2人とも、食べ物に釣られて恥ずかしいんだから)。
 こんな具合に毎日元気に暮らしている自分ですが、そろそろ寝室もママと離れて親離れするつもりです(私はもっと甘えて居たいのに、執事が主治医と話しておりました)。これからは一人(頭)で庭(放飼場)や室内にいるかもしれませんが、独り立ちする私を皆さん応援して下さいね~~。


飼育係 河村 茂保

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