でっきぶらし(News Paper)

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222号(2015年02月)4ページ

飼育員一年目

 私は去年の4月から、念願の日本平動物園の飼育員として働いています。飼育員と言っても“しいく”のしの字も知らない全くの素人で、しかも40過ぎのオジサンです。飼育員と言うよりも“いきものがかり”的なユル~イ感じがピッタリですが、夢と希望に満ち溢れ出勤初日を迎えました。ところが、今までやっていた事とは全く違う事に戸惑いを覚え、一日目にして心がポキリと折れ、一週間も経つ頃には魂をも抜かれかけそうな勢いでした。身も心もガチガチのオジサンには若い人達の様な柔軟な対応ができず、馴染むまでかなりの時間を要する事となりました。“動物の世話より自分の世話”みたいな感じで何とか半年程経った頃、突然呼び出され衝撃の発表を告げられます。
「う~ん10月からさ~ゾウの担当になってほしいんだよね~」的な?何言ってんのこの素人に?と思ったがさらに
「何もしなくていいから、いてくれればいいから」的な?何かのラブソングのフレーズみたいだなと思いながら聞いていると、いろいろな事が少しずつ分かってきました。みなさんはゾウと聞くとどのような印象を持ちますか?かわいいとか、大きいとか、鼻が長いとか、頭がいいとか・・・いろいろあると思いますが、こと飼育となるととても危険が伴います。なにせあの巨漢ですし、器用に使う長い鼻もありますので、少しずつ存在を気づかせていってからのスタートとなるわけです。そんな訳で、もともとの動物病院担当とゾウ担当の兼任が始まりました。もちろん何もしないと言ってもゾウに対してだけで、掃除その他もろもろ手伝いをし、後は見てるだけですが、初めてトレーニングを見たときはスッゲーなと物凄く感動しました。ちなみに言っておきますが、うちの園にいるゾウはアジアゾウのダンボ48歳♀とシャンティ45歳♀です。とくにダンボは開園当初からいる主の様な存在です。つまり2頭は開園から一度も変わらずにずっといるので、私が幼い頃に見たゾウもこの2頭だったと言う事です。改めてスッゲーな~と感心させられます。ゾウ班全員で5人いますが、平均年齢が45歳でしたので同世代のゾウをおじさん達が飼育している感じです。私も早くトレーニングに加われるように、みんなに迷惑をかけず、怪我・事故の無い様、安全第一で頑張りたいと思います。みなさんも来園の際には、ぜひゾウのトレーニングを見て行って下さい。お昼の1時15分からやっていますので。それでは、まだまだこれからですが二年目に向け頑張って行きたいと思います。

動物病院係 望月 利憲

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