でっきぶらし(News Paper)

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208号(2012年10月)6ページ

スポットガイドだより

≪7月15日 は虫類館≫

 七月十五日十三時三十分より、【は虫類館】でZOOスポットガイドを開催しました。
 【は虫類館】とは昨年の五月に完成した、様々な爬虫類を集めた、日本平動物園の新施設です。その場所での、初めてのスポットガイドでした。ちなみに、以前からあった旧爬虫類館が、当園の敷地の最上部、通称、山頂広場に建っていたのに対し、この新施設【は虫類館】は、その山麓にやや近い場所に建設されました(アンデスコンドルやハクトウワシ・ヒゲワシがいる猛禽舎のすぐ隣です)。
 さて、今回のスポットガイドは、新施設での初スポットガイドである事に加えて・・・ガイド担当(解説・説明)も、飼育員になって二年目の男性新人が行いました。彼にはこれが、自身での初スポットガイドになります。
 実は当園のスポットガイドが開始されたのは、およそ十数年前からで、その間、新しく動物園のスタッフに加わった歴代の新人達(新人と言っても、静岡市の他の部署から異動して来た若くないおじさん達が殆どでしたが・・・)は、皆さん、何らかの形でスポットガイドを初経験してきました。そして当然ながら、人それぞれ・・・・・・人前で解説や説明をする事が得意?な人もいれば、もう、まったく不得意の人もいました。それでも、今まで特に遜色無く、不得意な人もそれなりにガイドをこなす事ができたのは、やはり解説や説明に、それぞれの人生経験を反映させてきたからでしょう。
 けれども(新しくて若い?)文字通りの新人は、動物園での経験も含め人生経験が豊富ではない場合が多いので・・・解説・説明に困ったり詰まったりした時、若くないおじさん達の様に、色々な【余談】と言う形のエピソードに逃げる?事が難しい場合があります。その為、ほぼストレートにガイド参加者の皆さんと対峙する形になるのです。これは、人によってはかなりツライ事だと思います。
 今回の【は虫類館】のスポットガイド担当は、ガイドの出だしこそやや声が小さかったものの、立派な解説・説明を行ってくれました。ヘビやトカゲ・カメ等の身体の構造や生態のあれこれを丁寧に皆さんにお話しながら、ヘビの尿が時間が経ったあと固まってチョーク状になる事などもお伝えし、実際にその実物を黒板で擦って見せ、本当にチョークの様に字が書ける事や、カメの甲羅の模様・・・いわゆる亀甲模様が大きなウロコである事なども皆さんにレクチャーしました。これは皆さん、かなり驚かれている様子でした。
 初めてにしては、非常に実りの多いスポットガイドになったと思います。
加えて、乱暴な言葉ですが、後は場数を踏めば、更に更に良くなっていくでしょう。何でも、一生懸命に数をこなしていけば、気がつけば結構なレベルに達するものですし、そうした意味で本当に、人生は場数です。経験値に勝るものは、多分それ程ありません。そして、私達の様な仕事をしている人間には、正に、この場数・経験値が不可欠なのです。

≪8月19日 ふれあい動物園≫

 【ふれあい動物園】で八月十九日十三時三十分、ポニーのZOOスポットガイドを開催しました。この【ふれあい動物園】は、日本平動物園の中に更に存在する小さな動物園・・・主に家畜・家禽(かきん、と読みます。ニワトリの仲間やアヒル等、主に品種改良された、人間の身近に居る鳥類の事です)を飼育している所です。
 前回の【は虫類館】の章でお話した事と重複しますが、この【ふれあい動物園】も最近新設された施設で、以前はオートチェア(動物園最上部・旧爬虫類館があった山頂広場までゴトゴト登っていく乗り物)の山麓駅の真下にあった子供動物園を、当園の東門にあった動物園遊園地の跡地に新設(移設)したものです。
 ちなみに動物園遊園地は何処に行ったかと言うと、このオートチェア山麓駅の真下・・・つまり子供動物園があった場所に同じく新設(移設)されました。
 要するにこの両施設は、互いに新設場所を交換し合った形になるのです。
 さて、今回のポニーのスポットガイド、正確にはウマの仲間に関するガイドでした。行った場所は、新設された【ふれあい動物園】内にごく最近完成した馬場(ばば、と読みます。ウマを歩かせたり走らせたりする場所を指します)のすぐ近くでの開催。ガイドを務めたのは、【は虫類館】の時と同様、自身でのスポットガイド初経験の担当者。今回は若い女性です。当園でのスポットガイドは、回によっては参加者の方々にクイズ形式で様々な解説・説明をする事があり、今回も担当者はクイズを考え、大変に張り切っていました。
 何日も前から、同僚の意見を聞いたり協力を仰いだりしていたそうで、その準備を一生懸命しているうち、だんだん色々な方向にテンションが上がってきたのでしょうか・・・スポットガイド当日は、ガイド担当初経験で物凄く緊張している様子に加えて、非常にハイな状態になっていたのではないか・・・と思います。  それくらい気合いを入れて、担当者はガイドに臨んだのでしょう。・・・場数を踏み過ぎて、少々の事では、な〜んにも感じなくなってしまった私(スポットガイド班長)は、そんな担当者を目の当たりにして、自分が失ってきた何か大事なものを見た様な気がしました(悲)。
 ガイドは、そんな担当者の沢山の意気込みが見事に反映されて、大成功でした。ウマ、と言う動物について分かりやすく楽しく解説し、参加者の中の多くの子供達も、大喜びしていました。
とても良いスポットガイドが出来て本当に良かったと思います。
 今後も、頑張っていきましょう。

ZOOスポットガイド班長 長谷川 裕

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