でっきぶらし(News Paper)

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202号(2011年10月)6ページ

スポットガイドだより

≪7月17日 マレーバク≫

 天候には恵まれたのですが、とにかく暑い・・・・・・当園のスポットガイドは、観客の皆様にガイド会場で立ち止まっていただく形式の為、この季節、特に神経を使います。余りにも暑いと、ガイドに参加してくださる皆様は、当然乍ら、暑さそのものに気をとられてしまいますし、それ以前に大変気の毒です。
 けれども、今回のマレーバクのスポットガイドは幸運?でした。
 会場であるバク舎前の園路に生い茂る樹木の葉陰が、本当にちょうど良い感じで日光を遮ってくれて、参加者の皆様はもちろん、ガイドを運営する私達動物園職員にとっても非常に快適なイベントとなりました。
 さて、ご存知では無い方の為に・・・・・・マレーバクは、その体色が白黒です。本当にくっきりと白黒なのですが、実は産まれてから暫くの間、まるでイノシシの子供の様に縞模様の体色をしています。そんな話も、写真と担当者の詳しい説明で皆様に紹介しました。
 マレーバクについての様々な解説の最後に、彼らが一体どんな餌の食べ方をするか、担当者が用意したシイの枝葉を用いて目の前でご覧いただきましたが、やはりこれが皆様に一番、関心を持っていただけた様子でした。
 こども達も沢山参加してくださったのですが、バクが鼻をゾウの様に使って、シイの葉を巻き取って食べる姿を間近にして、本当に眼を真ん丸にしていました。
こうしたこども達の姿を見て、「やはり何かを学んだり経験したりするのは、実物を前にしてのそれに勝るものは無いなあ」と改めて思った次第です。

≪8月21日 調理室≫

今回は、動物は一切、登場しないスポットガイドです。
何だそれは? 誰でもそう思うでしょう。どんなイベント内容だと思いますか?
正解は「調理室」のスポットガイドです。
調理室とは文字通り、食事を作る場所ですが、ここは動物園。
そう・・・・・・動物達の食事を作ったり用意したりするエリアの紹介をしたのです。
 動物園では各動物の担当者が、この場所で担当動物の食事を作ったり、用意してある食材を受け取りに来たりしています。単に「餌を作る場所」と言えないくらい、ここでは皆、神経を使って作業を行っています。もちろん、普段、一般の方々は足を踏み入れる事が出来ないエリアで、その為でしょうか?、こちらが想定していた人数より多くの参加者が集まってくださり、調理室は人でいっぱいになってしまいました。
 調理室を担当する女性2人も(正確な名称は飼料班と言います)、余りの人の多さに色々な説明するにも声を張り上げなくてはならず、文字通り嬉しい悲鳴を上げていました。
ガイドの内容は、主に飼料室の説明でしたが、参加してくださった方々が驚いたり感心されていた事柄は、大きく2点でした。
 ひとつは、飼料室内の大型冷蔵庫と大型冷凍庫。当園の冷蔵庫、冷凍庫は業務用どころか、小規模な冷蔵会社にある倉庫くらいの大きさなので、正確には「冷蔵室、冷凍室」と呼ぶべき代物です。皆様、暑い時期でもあり、その大きさと冷たさに興味津々でした。
もうひとつは、動物達の餌代について・・・・・・。担当者が分かり易くお話したのですが、中でも皆様が感心されていたのが、こんなエピソードです。
 実は、今まで、当園の動物達の餌代NO.1は、その体の大きさ・採食量でアジアゾウだったのですが、そのNO.1の座を楽々と奪い取る存在が現れたのです。
 それは、あのホッキョクグマのロッシーです。
 恐るべし、ロッシー。人気の独占?ばかりか、年間の餌代NO.1も独占していたのです。
・・・・・・そんな隠れたエピソードも紹介された、今回のZOOスポットガイド。大好評でした。


ZOOスポットガイド班 長谷川 裕

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