でっきぶらし(News Paper)

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200号(2011年06月)2ページ

≪あらかると≫メガドームの新しい住民たち

 先月二十四日に、来園者の皆さまをはじめ、私たち動物園スタッフ(もちろん日本平の動物たちも!)が、待ちに待った「は虫類館」と「フライングメガドーム」がオープンいたしました。この日のために、多くの皆さまのご協力・ご支援をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 フライングメガドームは水面からの高さが十四・五メートル、面積三三九〇平方メートルにもなる、国内でも最大級のフライングケージとなっています。池の中央まで続く桟橋を渡ると中央デッキにたどり着いて、池やその周りの岸辺に暮らす水鳥たちをご覧いただけます。エントランスを入ってすぐ右手にはフラミンゴたちが皆さまをお出迎えいたします。またエントランスの反対側には観察小屋があり、メガドーム内とはまた違った視点で鳥たちをご覧いただけます。
 フライングメガドームには、今まで日本平動物園で飼育展示されていた多くの仲間たちが引っ越してきました。開園以来、日本平動物園のエントランスの顔として親しまれてきたフラミンゴたちも、四十二年来の旧居からやってきました。
 また、キリン舎前にある旧フライングケージからもショウジョウトキ、クロトキ、ブロンズトキ、ベニヘラサギ、モモイロペリカン、カモの仲間たちが、一斉に新しい住居に移り住みました。みんな、最初は「一体ここはどこだろう?」といった具合に、キョロキョロした様子で落ち着きがありませんでしたが、広くなった新しい住みかに馴れてきて、のびのび暮らし始めているようです。
 またフライングメガドームには新しい住民たちも加わりました。恩賜上野動物園よりインカアジサシが、伊豆シャボテン公園よりカンムリヅルが来園して、フライングメガドームで暮らすことになったのです。
 インカアジサシは南アメリカのエクアドルからチリにかけて分布するカモメの仲間です。成長になると雄雌ともに鮮やかなヒゲと赤い嘴になり、頬に黄色の飾り羽、白い口ひげを携えて、とても凛々しい姿をしています。主に魚を食べていて、当園ではキビナゴとアジの切り身を与えています。餌の時間になると群れになってやってきて、早く食べたいとばかりに空中で待っています。とても目の良い鳥で、池に落ちた餌を見つけると、急降下して水の中に潜って魚を取ります。また、飼育員が魚を投げると、空中でキャッチする器用なアジサシもいます。餌の時間以外は岸の石垣などで休んでいることが多いですが、デッキの屋根の上や桟橋の柱の上で休んでいることもあるので、ひょっとしたら皆さんの足元にいるかもしれません。よかったら探してみてください。
 あっ、でも覗き込んで誤って池に落ちないように気をつけてくださいね。

飼育担当 山本 幸介

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