でっきぶらし(News Paper)

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196号(2010年10月)2ページ

≪あらかると≫私が飼育員になったわけ

 みなさん、はじめまして。私は今年4月からこの日本平動物園で飼育員として勤務しています。現在はタンチョウとクジャク、ふれあい動物園でヤギを担当しています。
 仕事を始めてからはや半年が過ぎました。日々動物の近くにいることができ、その世話をしたり、またふれあい広場で、多くの来園者の方、園を支えてくださるボランティアの方と接することができ、楽しく充実しながら仕事に臨んでいます。
 私は大学時代、獣医保健看護学科に所属し、野生動物学を専攻していました。大学入学前は、動物や環境を守る仕事がしたいという漠然とした思いを持っており、動物が好きだったので動物の事を勉強したいという思いもあり、今年卒業した大学に入りました。
 大学2、3年生の頃は、農村部で被害を出すニホンザルの実態の調査活動を手伝ったり、長崎県・対馬に出向いては希少な野生動物であるツシマヤマネコの保護活動を現場のレンジャーの方に同行して見学したり、地元の住民の方と交流する中で、保護活動と地元の方々の考えに大きな差があることを目の当たりにして、野生動物保護の難しさを改めて考えさせられるといった経験も積んでいきました。
 そんな私が動物園の飼育員になりたいと思ったのは「絶滅の危機に瀕した野生動物たちを、動物園で繁殖して数を増やし、また野生に復帰させることに役立ちたい」と考えが至ったからです。卒業論文研究で動物園で繁殖や行動をテーマに持ったこともきっかけでありましたが、動物園という場所で、生息域外保全(=主に、飼育下で希少な動物たちを繁殖させ数を増やす取り組み)など動物園だからこそできることで、野生動物を守る取り組みに貢献していき、自分もその一翼を担っていきたいと思いました。
 その他にも動物園では全国的に、教育活動・研究・レクレーションなど様々な役割が求められてきています。これからはこの他の分野でももっともっと動物園に求められる役割が増えてくるはずです。私も様々な面で仕事に取り組み、日本の動物たちや自然を守っていきたいと思います。そしてそれらの素晴らしさをより多くの人に伝えることができたらと願っています。
 まだまだ新米飼育員ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いします。

飼育担当  山本 幸介

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