でっきぶらし(News Paper)

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192号(2010年02月)2ページ

キリンのリキ 元気に熊本に行きました

キリンのリキの4ヶ月までの成長の話を前回のでっきぶらしで書きましたが、その後のお話をします。

ミルクも哺乳瓶で4ヶ月では2回与えたミルクも5ヶ月では1回として中止しました。(母親に育てられていると1年過ぎてもオッパイをねだることもあります)しかし、まだミルクを欲しくてしょうがないらしく担当者の姿を見ると条件反射のようによだれを出しながらついてくる日々が続いていました。

両親とは仲良く一緒にいることが多くなり母親に育てられているようかのような光景です。最初からオスの(トッポ)には問題なく寄り添う姿が見られましたが、メスの(リン)にはなかなかその様子が見られませんでした。

それでも8ヶ月頃から何となく外の乾草の餌場では一緒に仲良く食べようとするもまだ乾草入れまで顔がとどきませんでした。それでも時々リンが意地悪のようにリキを餌場から追い出すようすも見られました。

リキと担当とは以前と変わらず触ることもでき一緒に清掃作業をしています。また外の餌場で食べられない乾草を部屋で食べられるように放飼場と部屋をマセン棒でフリーにしていますが身体が大きくなるにしたがい首を下げても背中に当たるようになったのでマセン棒の支えを10cmほど上げて何とか当たらずに出入りをしていました。

しかし、急いでいる時はどうしても背中がぶつかっていました。1年過ぎた頃には葉っぱのプレゼントにも参加するようになりお客さんからシイの葉をもらう姿も見られるようになりました。

また母親のリンが妊娠して22年1月の出産予定であることとリキがオスであることからどこかの動物園に婿に出すことになり、キリンの登録調整している多摩動物公園に相談したところリンのおばさんがいる熊本動植物園に行くことに決定しました。

それによりリキのお別れ会を命名者の2名の子供に参加してもらい名前の由来やら今までの様子を担当者が話しをして葉っぱの餌やりをやってお別れの会を終わりました。

また、リキの輸送については動物業者と安全に箱に入れて輸送できる方法を話し合い輸送箱は1日前にリキの部屋の前に置き箱の存在を見せて慣らし翌日に入れる方法にしました。輸送の当日には箱に入れる方法を飼育員で話し合いいれるのに1回失敗したら次には難しいことを周知し慎重に行うことにしました。リキを驚かせないように少人数で、リキを追う担当2名と箱に入ったらまず横棒を入れて箱から出さないことの係り2名と記録係りが準備しました。

まず私がリキに馴れているので部屋の中にあるキリンを追う板を少しずつ動かしだんだん箱の方に追い最後にリキが箱の入口の段差で躊躇したのでお尻を押して箱の中に追い込みすぐに横棒を入れて中に入れてしまいました。リキはそれほど暴れずにいたので声をかけながら落ち着かせている間に箱の扉を締め付けてしまいました。

その後は箱をレッカー車で吊り上げ輸送用の車に乗せましがリキはおとなしくしていました。トラックに載せて移動のための準備キリンに雨風が当たらないようにシートをかけたりしている間に餌の乾草を与えると食べていました。業者の方はキリンを何回か運んでいるがこんなに落ち着いて餌を食べているのは初めて見ると話していました。

また輸送中に運転席からキリンの様子がわかるように箱の前にカメラのセットをして熊本に向け出発しました。高速道路のパーキングでは休憩していると車に乗っているリキを見つけ珍しそうに見ていたそうです。

大阪よりフェリーで門司港に着きその後は陸送で熊本の動物園に着いたそうですが途中でもリキはおとなしく動物園では報道陣も多く出迎えたそうです。キリン舎に着き箱を開けても箱からはすぐには出て行かず1時間位かかり部屋に収容したそうでかなり苦労したようです。部屋の中に入れたら他のキリン3頭も見えて落ち着いていたそうです。

その後1週間くらいして放飼場に出し他の個体とも仲良くしているそうです。これから2歳年上のメスのキリンとペアーにするそうですがうまく仲良くなり繁殖できることを楽しみにしいます。
(佐野 一成)

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