でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 181号の2ページへ181号の4ページへ »

181号(2008年04月)3ページ

新しい仲間たち

小型サル舎に、エンペラータマリン(♂)1頭とピグミーマーモセット(♀)1頭が新しく仲間入りしました。ピグミーマーモセットは、霊長目マーモセット科の世界最小のサルで、体長は約14cm、体重が150g位です。日本平動物園では、1986年より飼育して、ほぼ22年の飼育の歴史があります。野生では主に樹木やツタの樹脂や樹液、昆虫などを食べます。主食の樹液を食べる時、樹木の表皮を歯で削り傷をつけるのですが、すぐに樹液が吸えるわけではないため、翌日に滲み出した樹液をなめ取ります。このように翌日の収穫を予測して採餌活動を行う動物は、ヒトと本種だけしか確認されていないといわれています。また、繁殖は1年に2回で、一度に1〜2頭の子供を産み、子育ては親と独立前の兄姉の家族で行います。

エンペラータマリンも霊長目マーモセット科のサルですが、10cm近くもある長い口髭(くちひげ)を持っているのが特徴で、そこからエンペラー(皇帝の意味)の名前がつきました。体長は、23〜25cm、尾長は、39〜41cm、体重は 450g前後です。果実を主食としていますが、樹液や小動物も食べます。樹上で4〜15頭の集団で生活し、オスが生後7〜10日の間、こどもの世話をします。

マーモセットとタマリンの違いは下顎の歯で区別され、マーモセットはタマリンと比べ門歯が大きく犬歯はほとんど門歯と同じ高さになっています。この歯は、マーモセット類が樹脂を食物として利用しているためで、さらに下顎の幅がタマリンより狭くなっていて樹木をかじり樹液を染み出させるのに有利になっています。

近年は、どちらのサルもペットとして人気があるため乱獲されたり、森林の伐採によって生息地が分断されたりして、数が減っているといわれています。

« 181号の2ページへ181号の4ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ