でっきぶらし(News Paper)

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177号(2007年08月)6ページ

クモザル島リニューアル

7月2日、園内の下の池のクモザル島にオスとメスが戻ってきました。オスのホープは2年3ヶ月ぶり、メスのハートは1ヶ月ぶりです。

ホープは子供が生まれ離乳しはじめる頃になると、繁殖のためにメスを自分だけのものにしたのか、子供を邪魔者扱いし始め、子供をいじめてしまいました。そこで今回は、子供が離乳し始めた頃にホープには島から出て中型サル舎で一人暮らしをしてもらっていました。

おかげで子供は無事に成長し、本年5月14日に今話題の旭山動物園に婿入りすることになりました。その際母親も捕獲して島を空にして、設備を新しくすることにしました。

島の草は刈り取り島全体が見えるようになり、部屋の中の暖房設備も新しくし、今まではスイッチの入切りはその度にボートに乗り島へ上陸して作業をしなければならなかったのを、島の外から作業できるようにし、柱を立てて、クモザル島にふさわしくクモの巣状にロープを張り、工事は終了。7月2日に2頭を迎えることになりました。

その前に、病院に仮住まいのハートと中型サル舎に暮らしていたホープを見合いさせることにしました。ホープをハートがいる病院に収容すると、そこはかつて一緒に暮らしていた仲、すぐに元さやにおさまり仲良くなり一安心。島へ放すことになりました。

ハートは島から離れていた期間が短かったためか、島に戻すとすぐに餌を食べに行き慣れましたが、ホープは長期間離れていたためか、不安気にキーキー鳴きながら島中を歩きまわり、張り巡らしてあるロープを確認のためか時々咬んだりしていました。が、1時間程もすると静かになり場所に慣れた感じが出てきて、時々餌を食べたりし始めたので一安心でした。

夕方、いつもの作業を終え類人猿舎の扉を開けると、遠くの離れた島の屋上からホープが私の気配を察して友好的な声を出し挨拶してくれました。2年3ヶ月も離れていたのに忘れずに覚えていたのにはビックリしました。

翌日、給餌のために島へ近付くと、これも以前と同じくのどを鳴らしながら興奮し、ボートの浮き輪を振り回したり、上陸するとボートをこれまた思いっきりゆすりなおも興奮は最高潮となりました。緊張の冷や汗が出る中、島を離れましたが、こちらの方はきれいさっぱりと忘れてくれれば大変良かったのに、頭痛の種を抱えた飼育が続きそうです。お父ちゃんお手柔らかに「友好、友好」でお願いしますよ、本当に。

(池ヶ谷 正志)

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