でっきぶらし(News Paper)

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168号(2006年02月)8ページ

博物館実習を終えて

静岡大学教育学部  内川 麻衣子

私は小さいころから「動物園で働いてみたい」という夢がありました。今回この実習で夢が叶えられたことを嬉しく思います。私が主に実習で行なってきたことは干支展とイベントの手伝いでした。

まず、干支展では、カッターで台紙を切ったり、大きな紙を貼り合わせたりと、普段あまりやったことのない作業だったので、最初は曲がったり、紙がぼこぼこになったりと苦労しました。そんな時に優しく上手くできるコツを教えていただき、その時の魔法のような手さばきには驚きました。その後は素早くきれいに作業ができるようになりました。

そして、もう1つ驚いたところは、紙の大きさや貼る場所を全て計算して作っていたことでした。視覚的にも見やすく、分かりやすい掲示を心がけていることが分かりました。とうとう掲示物が完成し、掲示をしている最中に多くのお客さんが入ってきました。その時に貼った掲示物を見て興奮しながら話をしている家族を見て、充実感を覚えました。そして、それと共に展示室の必要性も感じました。

この実習中には様々なイベントの手伝いをさせていただきました。クリスマスイベントとして行った「たいらちゃんと記念撮影」では、手作りの写真スタジオをつくり、積極的に「写真をお撮りしましょうか?」と声をかける職員さんの姿に熱意を感じました。そして、「干支の置物プレゼント」や「餅つき」等、お客さんの心に残るようなイベントを行なっていました。

これだけ質の高いイベントを実行するためには、準備が大変だったに違いありません。中でも、私の心に残っていることは「2006年のポスターカレンダー」を巻く作業でした。何百ものポスターを1つ1つ手作業で巻くこの仕事は、全職員が協力し合ってもなかなか終わらない作業でした。しかし、この作業はお客さんの心に届いていると確信した場面がありました。それはおばあちゃんの「毎年このカレンダーを楽しみにしているんだよ」という言葉でした。華やかなイベントの裏での大変な準備と共に、1つ1つの作業を丁寧に、しかも心を込めて行っている職員さんの仕事に対する情熱を感じました。

実習中に私は飼育実習もさせていただきました。私の担当は、ゾウや猛獣のグループでした。あまりの大きさや迫力に最後まで恐怖心が抜けきらなかったのを覚えています。飼育実習で一番感じたことは、体力をとても使う仕事だということでした。特にゾウは大きな糞をスコップで持ち上げてゴミ箱に入れたり、デッキブラシで寝室を掃除するにもとても時間がかかり重労働でした。しかし、えさ作りや調教の見学、寝室掃除、おまけにゾウまで触らせていただき、とても貴重な体験をしました。これからはまた違った角度から動物園を見られそうです。

10日間という短い実習でしたが、私はこの動物園で様々なことを学ぶことができました。それも、優しくご指導して下さった職員さんのおかげだと思っています。そして、それぞれの仕事に誇りをもって働いている職員さんのように、私も将来、情熱をかけられる仕事に就きたいと思います。10日間、本当にありがとうございました。

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