でっきぶらし(News Paper)

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148号(2002年07月)6ページ

【実 習 の 感 想】   岩手大学農学部獣医学科4年 佐野 祐介

 今回僕は夏休み期間を利用し、十日間と短いながらも実習をさせていただきました。前に他の動物園での実習経験もあったので、内容としては想像からかけ離れることもなく自分としてはスムーズに受け入れ行動できたと思います。
  しかしながら、普段経験できないことも数多くありました。
  骨格標本の組立作業、保護動物の対処、ヤギの去勢、注射・採血などです。注射や採血はしばらくすれば学校でもやると思いますが、他のことはやはり動物園ならではだったと思います。 骨格標本では、学校で習ったとはいえかなり忘れている上に、それぞれの骨の連結がどのようになっているかなどはあまり勉強していなかったため、かなり苦労しながら作業が進み、結局あまり形にならずに実習が終わってしまいました。
  保護動物に関しては、本当にいろいろ考えさせられるものがありました。やはり獣医を志す者としては、いかなる動物も助けてあげたいと思うのですが、野生に帰せず一生人間が面倒をみなければならない動物は、その飼育スペース、コスト、稀少度などの問題で処分せざるを得ないとのことでした。このような動物は結構いるらしく、怪我してかわいそうだと、保護して持ってきてくれる人が多くいて嬉しく思う反面、人がどんどん野生動物の領域を侵しているんだと強く実感しました。
  さて、初めての実験動物以外での手術となったヤギの去勢ですが、緊張と経験不足で思うように手が動かず、簡単な手術のはずが長時間に渡るものとなってしまいまいた。おそらくヤギにとっても海野さんや八木さんがやるのとは比べ物にならないくらい苦痛だったことでしょう。仔ヤギ君たちには早くこの経験を忘れ、元気に育ってくれることを願うばかりです。そして暑い中このヘボ獣医(の卵)のおぼつかない手術にご協力下さった飼育員の方々に感謝。
  最後に、この実習を通してつくづく感じたことは、自分の知識と技術の無さでした。すでに習っているはずのこともかなりあったはずなのですが、ほぼ初耳というようなこともしばしばで、何かの診断や治療をするにしても説明を聞けば何となく分かる程度でした。その他、ヤギの去勢、採血においてはなかなかうまくできずに手間取りました。あと二年の大学生活において、実際の獣医になってこのような状態にならないように、ヤブ医者と呼ばれないように、まじめに講義や実習を受けていきたいと思います。病院の方を始め、飼育課のみなさん、事務所の方々、いろいろな人に迷惑をお掛けしましたが、楽しく実習できました。どうもありがとうございました。     

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