でっきぶらし(News Paper)

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36号(1983年12月)4ページ

動物病院だより

このところ、朝夕の冷えこみがきびしくなり、各獣舎では、ボイラーを使用しています。病院でも3ヶ所のガスストーブが作動しています。あいかわらず、入院室も検疫室も満員の盛況ぶりです。
今月病院に収容された動物には、まず3種類のマーモセットがいます。1月にオープン予定の第2小型サル舎に展示されるもので、両手足が黄赤色をしたアカテタマリン、白いマユが特駐Iなチャアタマタマリン、そして頭部が黄赤色のタテガミのようになっているキンイロアタマタマリンです。残念ながら、キンイロアタマタマリンのメスが来園して5日目に肺炎で死んでしまいましたが、後はみな元気でいます。また12月中旬には2種類のマーモセットが入る予定になっています。1月まで楽しみにお待ち下さいネ!
そして、今日収容した主な動物として、カルフォルニアアシカの赤ちゃんがいます。この個体は、6月11日生まれで、アシカ池で母親(チビ)のもとで大きくなってきたのですが、そろそろ離乳の時期となったのです。そのため、担当の長倉飼育課員が池にモロコ、キンギョ、ドジョウなどを入れ、子がそれらを追いかけ遊びながら食べてくれればと試みていました。ところが、11月に入り、泳いだり、乳を飲んでいる様子が、あまり見られなくなってきました。そこで11月21日池の一部に隔離し、ドジョウやキンギョを入れ、遊ばせてみました。しかし、一時遊ぶだけで、子の体力の方が心配になり、体重も減少してきたので、11月23日病院に収容することにしました。
以前、この時期にとりあげ、魚だけの離乳作業をし、出血性腸炎で死亡させてしまったので、今回は魚とともに海獣用のミルクをのませることにしました。のませるといっても哺乳ビンで簡単にのんでくれるものではありません。4人がかりで押えて、食道に管を通し、注射器で流しこませるのです。最初のうちはうまくゆきましたが、だんだん力がついてきておさえるのに苦労するようになりました。
そして、コイやアジをうまく食べるようになったので、収容して2週間後から魚だけ与えています。排便良好、元気良好、12月13日現在、体重も12.6kg。名前はエルです。アシカ池で泳げるのはまだ先ですが、どうぞよろしく!
(八木智子)

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