でっきぶらし(News Paper)

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36号(1983年11月)3ページ

人工育雛 〜 ペンギン 〜

人工育雛とは、哺乳動物でいうところの人工哺育にあたります。鳥類でも卵を産んで抱かなかったり、突っついて割ってしまうことが往々にしてあります。また、無事孵化しても環境が悪くて育たなかったり、親より十分な給餌が受けられなかったして、完全な成育に至らないこともあります。そのような時には何とか無事に育てる手段として、一般的に人工孵卵・育雛という方法がとられます。
その一例としてフンボルトペンギンの繁殖が挙げられます。1977年4月に孵化した雛を取り上げ人工育雛を試みたのです。数年前より産卵し、何例か孵化していたのですが、どれもが1〜2週間で雛が死んでしまうのです。原因と対策がよくつかめないまま人工育雛に唐ン切ったのは、それまでの観察から親よりどのような餌をもらっているのか、ある程度見当がついていたからです。巣穴にいる雛の周囲には溶けたように細かくなったアジがありました。親が吐き戻したものです。これを参考にアジをたたきつぶしミンチ状にし、何とかスムーズに必要量を与えたいということで注射器を加工して用いました。この餌と給餌方法によりこのペンギンは無事成育し、元気にプールで泳いでいます。

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