でっきぶらし(News Paper)

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39号(1984年05月)1ページ

子供動物園の飼育実習 日本動物植物専門学院 永田真寿美

今回、私にとって去年の夏休みに続いて、2度目の飼育実習だった。夏休みの時は、7日間のうち5日間が雨で、台風のおまけまでついて、ほとんど毎日大きなカッパをゴソゴソと着て、実習らしいことがあまりできなかった。今回も前回と同じ子供動物園を希望した。2回とも、1週間という短かい間であったので、やっと仕事に慣れてきたころには終ってしまった。
最初は、動物園で飼育されている動物の行動、生態(特に小型サル類)や飼育方法などが目的であったが、実際にはあまり観察している余裕がなく、掃除のやり方や各動物の頭数を覚えたり、餌の分量を考えるのだけで精一杯だった。今度は、実習としてではなく、お客さんとして動物園に来てゆっくりと観察して見たいと思う。
掃除ひとつとっても、ホースの使い方などいろいろあって、とても1週間やっただけではうまく使えなかった。掃除の時、前の日に与えた餌の残りを見て、その日の餌の分量を決め、愛情を持って動物に接し、危険性のある動物には常に細心の注意をはらいながら仕事をしている。そして、必ず鍵の点検はしている。
私の行なった子供動物園は、動物飼育だけではなく午前10時30分から11時30分までの1時間、幼児動物教室を行なっている。私の実習中に2回行なった。私は慣れないので、ほとんど見学していたが、短い時間内に次々といろいろな事を子供達の前で行なっていくのは大変なことだ。これを見て、飼育係の人の仕事は、動物の世話だけではないということを改めて知った。
子供動物園は、細かい仕事がたくさんあり、生態の観察などはあまりできなかったけれど、いろいろ珍しいキツネザル類などの実習を経験ができて、私にとって充実した実習だったと思う。子供の頃は、ただ動物が見たくて行っていた動物園だったけれど、これからはいろいろな面から、ちがった見方をする事ができる。机の上の勉強も大切だが、学院ではできない動物園での実習は、これからの私にとって役立つものと思われるので、機会があったら他の動物も実習してみたいと思っている。
そして最後に2度の実習で大変お世話になった飼育課の皆さん、どうもありがとうございました。

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