でっきぶらし(News Paper)

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143号(2001年09月)4ページ

オマハ出張記(パート1)

昨年、市長はじめ市民の代表が訪米した時、姉妹都市のオマハ市との間に動物交換が決まりました。静岡市からは「タンチョウ・ホンドタヌキ・ホンドリス・コシジロヤマドリ・スッポンモドキ」の五種類。オマハ市からは「ハクトウワシ・クロジャガー・ピューマ・バイソン・プロングホーン」の五種類です。
 今回、海野副主幹と私がオマハに派遣された主な理由は、動物交換の具体的な事務手続きと飼育の難しいプロングホーンの飼育研修そして、職員の交流が目的でした。

 八月十日に成田を出発し・・・ と行くはずだったのですが、前途の多難さを暗示するかのようなアクシデント発生、出発一時間ほど前に成田地方を襲った激しい雷雨で私たちが乗っていくはずの飛行機が雷を避けて羽田空港に着陸してしまい、出発ロビーのアナウンスで「シカゴ行きは出発がいつになるか分かりません、今後の情報に注意してください。」なんということが・・・ 私たちはシカゴでオマハ行きの飛行機に乗り換える予定で乗り継ぎ時間は二時間です。旅行会社の人は「乗り継ぎは二時間あれば十分です。よほどのことが無い限り。」といっていたのですがまさかそのよほどの事がこんなに早く来るとは、係員に乗り継ぎのことを伝えると「こちらでは分かりかねるのでシカゴについたら現地係員に聞いてください。」・・・ それができればこんなにあせらないのですが・・・ しかし、どんなにあせっても自分達ではどうにもならない事なので、ハラハラしながら待つこと一時間「香港行きの飛行機を振り替えてシカゴ行きにします。」とアナウンスがあり、これで何とかなりそうだと胸をなでおろしました。

 シカゴまでは約十一時間、狭い座席と、うとうとしかできないで寝不足のままシカゴ到着。現地時間は時差と日付変更線の関係で十日の昼の十二時でした。乗り継ぎ時間は一時間しかないのであせりながら入国手続き、入国管理官がいろいろと話し掛けて来るのですが、聞き取れないなーと思っているとだんだん声が大きくなってきて、よく聞くと「Kankou? Shigoto?」“あれ日本語”だ。思わず「サイトシーン」と答えると、体の大きな黒人の係官はにっこりと「OK」とパスポートを渡してくれました。アメリカの3大空港というだけあってシカゴのオヘア空港は大きい大きい。モノレールに乗って国内線に移動し何とか出発時間に間に合い、オマハ行きの飛行機に乗り込みました。

 先ほど乗ってきた飛行機と比べてかなり小さ目で飛行時間は約二時間、途中びっくりしたのはオマハに着くまで全く山が見えなかったこと、ずっと平坦な広大な畑が続いていました。とにかく広い・・・ オマハの第一印象でした。

 オマハ空港に降りて「あれ?涼しい」来る前にはオマハは猛暑と聞いていたのでびっくり。ロビーに出ると日本人の婦人が「動物園の方ですか?」この方が話しに聞いていた静岡出身の武市さん?「武市さんですか?」「はいそうです。今、友好協会の会長も来ます。」本当にほっとしました。今までの不安が嘘のように吹っ飛びました。「じゃあ、荷物を取りに行きましょう。」とターンテーブルのところに行き、話をしながら待っていると・・・ あれ?なかなか出てこない。ほどなくしてターンテーブルは止まってしまった。え?荷物がこない?二度目のアクシデント発生。しかし、不安はありましたが今度はあせりは無かった。武市さんが係員に聞いてくれて「到着の飛行機が遅れて、人間は走って間に合ったが、荷物は走れないので乗せられなかった。次の便で来る。」と言う説明だった。荷物の特窒ニ届け先を書いて空港を後に、武市さんの運転でオマハ・ヘンリードーリー動物園に向かう。途中、市内案内もしてくれる。人口は静岡と同じくらい、町は静岡と比べると広々してとてものんびりした印象を受けました。

 動物園の玄関で真っ赤なポロシャツを着た人が迎えに出てくれている。武市さんは「彼がダンです。飼育課長のダンさんです。」と紹介してくれる。オマハでは本当に多くの人にお世話になりましたが、特に「武市さん」と「ダンさん」この二人には感謝しきれないほどお世話になりました。武市さんの車は、家と動物園のフェンスがくっ付いている一軒の家の前で止まりました。「ここがお二人が宿泊する家です。」と、言われびっくり。地下一階、地上二階の三階建て、セミダブルのベッドが二つ入った寝室が三部屋、八畳ぐらいのバスルーム、リビング、キッチン、地下にはシャワールームと大型洗濯機、乾燥機・・・ アメリカでは中級クラスの家のようでした。「中のものは何でもつかって構わないから」ダンさんから許可が出る。武智さん曰く「ここは動物園が普通の家を買い上げてゲストハウスとして管理しているのです。」「動物園にきた“VIP”クラスの人を宿泊させる施設です。」と説明。  え??「VIP」?・・・  次号へと続く

(鈴木 和明)

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