でっきぶらし(News Paper)

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284号(2025年12月)3ページ

バーバリシープ双子の成長

4月6日にバーバリシープに双子が誕生しました。3年前に大島公園動物園からツワブキ、イソギク、アシタバが来園して以来、ボスと4頭で暮らしていましたが、待望の赤ちゃん誕生です!父親はボス、母親はイソギクで、性別は2頭ともオスでした。「ソラマメ」、「エダマメ」と命名し、頭の上にある白い模様が横長なのがソラマメ、縦長なのがエダマメです。イソギクは昨年も出産を経験していましたが、残念ながら死産で、今回が初めての子育てでした。

監視カメラの映像から、朝4時頃に放飼場で出産していたことがわかりました。初日は曇り空の中、親子3頭で放飼場にいて授乳も確認できたのでひと安心でしたが、次の日は雨予報。雨で濡れて体温が下がってしまうのを心配し、雨除けのテントを設置しました。しかし大人たちが一切双子に近寄らなくなってしまい、このままでは授乳できないため、テントを少し遠ざけておきました。夜間、イソギクが地面に降りて授乳している様子が見られ、そのまま双子を誘導して崖の上に登らせて、翌朝には一番高いところまで登ることができていました。身体能力の高さに驚きましたが、時間がたっても全頭テントを怖がっていたためすぐに撤去しました。

イソギクの出産から4日後、ツワブキも2頭の赤ちゃんを出産しました。残念ながら2頭とも死産でしたが、その直後にツワブキがイソギクの双子に授乳しているのを確認でき、それからはイソギクとツワブキ2頭で子育てをしていました。もともとツワブキはメス3頭の中で一番強かったため、イソギクにとっては心強い味方だったようです。しかし仔が生まれたことで、崖の清掃に向かう飼育員への威嚇も激しいものになっていきました。イソギクが寝室に入らないため、崖の上にエサを置いていたのですが、飼育員に対して足をダン!と踏み鳴らしたり、ひどい時には角を向けてきたりと、双子が岩場の上を上手に動けるようになるまで約2週間、最恐ママ×2による飼育員への監視と威嚇は続きました。ツワブキが子育てに参加してから、それまでイソギクに引っ付いていた双子が1頭ずつに分かれて過ごしていることが増え、分担して育児をしていく様子が見られました。

成長記録をざっくりまとめると…生後1か月くらいの時に2頭でマウントし合ったり、頭を突き合わせたりして力比べをする様子が見られ、2か月で大人たちが泥浴びをしている時に水たまりで遊ぶようになり、3か月半くらいでツワブキの泥浴びをエダマメが近くで観察しながら泥浴びを習得していました。4か月半経つと、バーバリシープ特有の背中の毛と、首から胸にかけてあるたてがみ状の毛が目立ち始め、角もだいぶ大きくなりました。生後5か月でやっとソラマメが泥浴びに成功。生まれた時はソラマメの方が大きかったのですが、エダマメの方が活発な性格だからか、色々と先を越されて今ではほぼ同じ体格です。2頭のお母さんのおかげで双子は元気に成長しています。ぜひ大きくなった双子たちに会いに来てあげてください。

(大谷)

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