飼育日誌

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【ブログ】中型サルのお引越し エピソード3

ニホンザル近況①

新しい環境にいち早く慣れたのはニホンザルの花子でした。

移動した16頭の中で2番目の長老は「何よ、これしき」と言わんばかりに新しい部屋を動き回り、
娘2頭に先立ち新しい環境をチェックして見回っているようにも見えました。

小部屋に来て、飼育係の目の前で寝そべる余裕っぷり。
この適応能力の高さとたくましさが長生きの秘訣かもしれません。

※花子は野生で保護された個体で、1994年8月に来園しました。
 来園当時推定1~2歳だったのではないかとのことなので、現在は推定30歳前後と思われます。

一方、娘の2頭(ミレとおでん)は警戒心が強く、
人が来ると高い所に逃げ、しばらく落ち着きませんでした。

飼育係が目を離した隙に、ささっとエサだけ持って大部屋へ戻っていく日が続きました。

移動から1週間が過ぎたころ、警戒していたミレとおでんにも少しずつ変化が見られました。
飼育係が近くにいても、小部屋へ移動してエサを食べるようになったのです。

ただし、それは「飼育係が何もしない」状態の話で、
ちょっとでも飼育係が「あ、ミレ(おでん)が小部屋にいるっ!」と気づいた瞬間には
もう彼女らは察知して大部屋へ走り戻って行くのです。

それでも日に日に少しずつ、「やばっ!飼育係がこっち来た!(逃げろ!)」
「あれっ?何もないね…?あ、ご飯くれるの?」という感じで、
ちょっとずつ反応が変わっていきました。

そして、飼育係が目の前にいても、3頭とも小部屋に入ってくれるようになり、
「あとはタイミング次第で扉が閉められる!もう今日か明日にも…!」という状態にまでなった頃、
家族に新型コロナ陽性が発覚し、濃厚接触者のため出勤停止…5日間休むことになってしまいました。

おかげさまで大事には至らず、復帰することができましたが、
新型コロナウイルスの影響はこんなところにも及んでいました。

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