飼育日誌

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【ブログ】小型サル舎の見える化計画②

小型サルの魅力を伝えるため、この春から小型サル担当になった飼育技師(♂)の
取り組みを少しずつ紹介するブログ。

第2弾は【アカテタマリンの放飼場】です。

アカテタマリンの一番の特徴は、その名の通り“赤い手”です(写真1)。
実際には赤色というより、黄色オレンジ色に見えます。
全身は真っ黒な毛で覆われており、
手肢の先だけ黄色いので、まるで手袋と靴下をはいているような愛らしい姿です。


南米の樹上に暮らしていますが、これまでの放飼場には高さ1mほどの所に3本の枝が渡してあるだけで、樹上を動き回る能力が伝わりづらくなっていました。

さらに言えば飼育担当者は、一番奥にある排水溝の掃除をするために腰をかがめ、
3本の枝をくぐって行く必要がありました
※腰への負担はもちろん、視界も狭くなるためケガや脱走などの事故も起こりやすくなります。


そこで今回、枝の配置を一新し、アカテタマリンが3次元的に行動できるようにしました。
主要な枝の高さは、「お客さんの目線より少し上」を意識し、
高さ1.5~2m付近でアカテタマリンが行き来する姿を見られるようにしました。

また、飼育員が通るスペースも広くなり、掃除などの作業もしやすくなっています(写真2)。


①動物にとって快適であり、
 ②お客さんにとって見やすく、
  
③飼育担当者にとっても作業の負担が小さくなるように(①と②を妨げない範囲で)、
   という3点を意識して作ってみました。

 
新しくなった放飼場で動き回る“幸福の黄色い手袋”を見て、
少しでも幸せな気分になってくれたら嬉しく思います。

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